ユメカナっ!!

黒羽冥

第1話異世界転移

ユメカナっ!

これは僕達が突然、異世界転移してしまう物語である。

ごく普通に暮らしている以上、異世界転移なんて有り得ない、そう思っていたのに。

第一話異世界転移

「みら!?ここにいたのか?」

そう僕に声をかけてきたのは僕の唯一無二の親友らいと!

「らいと!僕は大体ここにいるじゃんか?」

納得したように近づいてくるらいと。

「まあそうなんだけどな(笑)」

そういう僕はみらい…性格は臆病でマイナス思考。だけどらいとにだけはタメ口で話している。

まあ、らいとはというと僕と違って凄く自信家でプラス思考、言葉に説得力がある。

僕をみらとよんでる。

「ん??なんだ?どした?みら?」

「なんでもないよ笑」

らいとは僕に笑顔を見せて話しかけてくる。

「ところで今何をしてたんだ?」

僕はらいとに話し始める。

「ああ!これね……えっと……」

「異世界転生の本を読んでたんだ!」

「えっと、ファンタジーラブストーリーみたいな感じの話で……異世界転生して…右も左も分からないところを親切な執事長が拾ってくれて、主に頼んでくれて、そこでメイドとして雇われて……。その務め先で出会った人と友人みたいな関係になるんだけど…実は御屋敷の客人で…そしてそして………

……ってネタバレになっちゃうな…。ごめんっ。」

らいとは僕に笑顔で返す。

「そっか!みらは異世界転生したいのか?」

「夢!みたいな話だよらいと……」

「異世界転生か……」

僕はらいとに、質問してみる。

「らいとは異世界転生興味無い……かな?」

「俺は……めっちゃ興味ある!って言うかむしろ好きだぞ!」

僕は嬉しくなってドキドキしてきた。

まさか僕の唯一無二の親友のらいとが異世界転生好きだったなんて。

僕は心の底から嬉しかった。

「ほんと!?!?異世界転生もの大好きなんだよね〜。見ててとっても楽しくてさ。主人公に感情移入しながら読むタイプだから結構夢中になちゃうし。魔法が使えたりとか、妖精、精霊がいたりとか…それこそドラゴンとか魔族とか………」

「あはは!本当に異世界転生好きなんだなみら?」

「なるほどな。俺は……。妖怪とか、霊とか、目に見えないものと会話したり、仲良くなったり、戦ったり…そういう話がめっちゃ好きなんだよな。」

らいとと僕は異世界転生の話で盛り上がる。

「僕はチートスキル無しで……それでいて、魔法とか魔族精霊がいる世界……。その田舎の大自然で彼らと穏便に暮らしたい……」

僕はらいとと盛り上がる。

「異世界転生…したい……なぁ……」

つい僕の口から本音がこぼれる。

その時!僕達の、時間が止まった気がした。

そして…………

「う……くるし………」

僕は急に息苦しくなり倒れ込む。

らいとが僕に駆け寄る。

「みら?みら!!」

らいとの声が徐々に聞こえなくなり僕は気を失った。

そして………

遠くかららいとの声が僕を呼んでる。

「みら?みら?大丈夫か??」

しだいに声は大きくなり僕はハッとして目を覚ました。

「んん……ここは……どこ??」

「みら?気がついたか??」

僕に呼びかける安心する声はいつも一緒にいるらいとの声だ。

「らいと!?」

「おお!気がついたかみら?」

らいとは満面の笑みで僕に話しかけていた。

「みら?なんかさ。俺達おかしな世界に来てしまったみたいなんだ…。」

僕は周りを見渡すと。思わず。

「おかしな…せかい……?って…え?ここどこ?知らないよ?え。だってさっきまで、図書室にいたよね?え。気のせい!?!?どうしよ。らいと。どうしたらいいの!?!?えっと…えっと……」

らいとは僕を安心させるかのように話してくれる。

「みら?。落ち着けって。いいか、みら。この世界、俺が見たところファンタジーの世界だ…。俺たちは何かしらの条件が揃ってこの世界にきたんじゃないか?見てみろ、そこ。見たことの無い植物とか向こうにはお城みたいなのもあるし…。絶対ここファンタジーの世界じゃないか?」

僕はらいとの話で落ち着いてきた。

「うん。ごめん。びっくりしちゃって…あはは。んー確かに。日本にはない…というか地球にもないよね?てことは…?ほんとに…これは………」

「異世界転移!?!?」

「いせかい…てんい…」

僕達は声を揃えて口にした。

「なんとなく…わかった。なんとなく…だけどね?らいと、あの…さ。この状況…どう思う…?」

「ん……すっごくわくわくしないかみら!?!?だってさー、剣と魔法の世界かもしれないぜ。俺たちが勇者でさー魔王を倒しに行くとかさ!見たこともない敵と戦ったりとかさ………」

僕は自分の意見もらいとに話す。

「転生先では、静かな田舎町で、精霊、魔族たちと、のんびり暮らしたい……。

そう、平和に暮らしたいだけなんだ!!!だから、戦いとかそういうの……」

僕がそういうと。

らいとは目を輝やかせて言う。

「みら?、でもさ。わくわくしないか?この世界!」

「まぁ、わくわくはするけど…さ…」

「だろ?大丈夫だって!せっかくこの世界に来たんだ、楽しもうぜ。」

相変わらず自信家のらいとの発言だ。

「う、うん。そうだよね!だって夢だったもん。叶ったんだから……」

僕はつい、らいとの説得力のある言葉に納得する。

「だろ?楽しくなってきたな。なんか、魔法とか使えないのかな?スキルとかさ?」

「確かに!お約束…だよね?異世界転移といえば!ってね?」

そんな話をしてらいとは構えてみる。

「じゃあ、いくぞ、みら!みてろよ!炎の魔法っ『ファイヤー』………あれ?やっぱり出るわけねえかぁ…。」

「だいじょうぶだよ!他の属性かもしれないし…。まぁ、僕も試してみるか…。『ふぁいやー』…あ。」

「みらって炎属性なのかな?出たな。」

「確かにではしたけど…威力ないよね…」

「敵と戦うにはきついよな…」

僕は思い出してらいとに言った。

「あっ!!!」

「どうした?」

「思い当たることがあるんだけど…試して見ていい?」

僕の言う事を考えずに話すらいと。

「わかった 。やってみな。」

「うん。あのさ、喉乾いてない?」

「喉…確かに乾いてる。」

らいとに試したい事があって僕は言った。

「え。適応しすぎじゃない?まぁ、いいんだけどさ。話が早いのはありがたい。んじゃー行くね。」

『飲水欲しいなぁ…』

ポンっと言う音がして僕の目の前にペットボトルの水が出てきた。

「あ、やっぱり。ペットボトルでてきたよ!」

「みらって魔法使い?」

らいとが不思議そうに、僕に言った。

「いやー違う違う。多分だけど、生活魔法の加護かな?」

「生活魔法?」

「そう。日本ではさ、電気とか水道とか整備されてるじゃん?そのかわりの職があるって聞いたことあってさー 。多分それだと思う。転生したらこんなスキルの加護が欲しかったんだよね〜」

僕は実際異世界転生したらこんな魔法が使いたいと思っていた。

「まじか。じゃあ俺もなんかできるのかな?そういえばなんかさっきから身体中ビリビリいってんだよな。」

「もしかして、らいとって電気とか?だったりして?」

僕は僕に出来たんだかららいとにも出来ると思ってそう言った。

「そうかもしんねえなぁ。身体中に電気が走ってるような感覚だし。あ、そこに川があるから…魚でもとれねーかなー。よしっ!試してみるか!?」

らいとはそう話すと川に気にせず入っていった。

「ちょっと気をつけてよ?」

「よしっ、じゃあやるぞ!みら!見とけよ!川に手を突っ込んで…」

『放電!!』

らいとが技を出すと川全体に電気が流れる。

そして魚が浮いてきたのでした。

「わあぁ!すごいっ。魚浮いてきたじゃん!さっすが、らいとっ」

「おぉ、すげえや。俺のスキルは電気なんだな?」

らいとは上機嫌になり本当に楽しそうだ。

「ちなみに…さ。らいとは転生したらどんな加護が欲しいって考えてたの?」

「そうだなぁ 。やっぱり…敵と戦ったりしたいから、攻撃スキルかな?それこそ、雷属性の!」

僕達は自分達のスキルが使えて楽しくなってきた。

「てことはやっぱり、希望叶ってる感じかな?僕もらいともっ!」

「これならこの世界でも何とかやっていけそうじゃね?」

らいとも謎の自信に満ち溢れているみたいだ。

「そうかも…なぁ。なんか…僕まで根拠の無い謎の自信が湧いてきた!色んな人と出会いたいっ!」

「そうだな!みら。…じゃあ、ここで生活しないといけないからさ。とりあえず、家探すか。みら!あっちに街みたいなの見えるんだけど行ってみないか?」

僕達の眼前には街らしきものが見えていた。

「そうだね。家、大事だよね?野宿とかはモンスター出てきたら嫌だし。」

「まずは家を確保して…仕事も探さないとな!?」

らいとが何故かやる気満々でいた。

「ちょっと!帰る方法探すのがセオリーじゃん。異世界転移といえばっ。それ醍醐味だよね?帰る気ないの!?!?」

僕は思わず正論を話してしまう。

「そのうち帰れるさ!まずは楽しもうぜ。俺に全部任せとけ。なんとかなるって!はははははっ」

らいとはやっぱりらいとだなと僕は思ったけどらいとと一緒なら楽しそう。

「そういう問題じゃなくて…だ。何その根拠の無い自信っ。説得力何故かあるし…。」

僕はそれでも楽しかった。

「さ、じゃあ行くか!」

こうして僕達の異世界転移はスタートしたのでした。


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