第16話 幼稚園

「ひろき先生、みう、ひろき先生がすき。およめさんにして?」


若い男の先生が僕しかいないからか、こういうことは偶にある。無下にはできないが、応えてしまえばそれはもう犯罪だ。


「君にはいつか、僕より格好いい王子様が現れるから、ね?」


どうだ?


「ひろき先生じゃないの……?」


涙が溢れる。


失敗した……。

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