第15話 標的

殺し屋でありながら標的に恋をしてしまった。恋など馬鹿馬鹿しいと思っていたのに。


まあ、それも今日で終わりだ。暗殺決行日は今日だから。


高台からスコープを覗いて彼女を探した。願わくば、何も知らずに死んでくれ。


引金に指を当てた。


彼女と目が合う。悟ったような笑顔だった、


引金が、引けなかった。

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