乙女ゲームのヒロインに転生しましたが私には政治がわかりませんので悪役令嬢が王妃になることを望みます。~どんなルートもお先真っ暗なので私は誰も攻略しません~
スライム道
第1話
私はいつも通りソシャゲのモンスターを捕まえるために歩いていたらバイクに轢かれて病院で死んだ。
今更になってながらスマホはとても危ない行為だと認識しても遅いと思いつつも次があるならもっと気をつけて生きようと思った。
そして気がついたら
私は王都の民として生まれた。
親が年を取るにつれて自分の身体が変化していく風景をみていけば自分の立場を理解し始めた。
これ乙女ゲームのヒロインだと。
定番物だった貴族の婚約者を追い落として王子様と結ばれる身分さラブコメディーのヒロインだ。
ゲーム名は《令嬢たちは真実の愛を求めて庶民は美男からの寵愛を受け取る》
ヒロインは王都の平民でその優秀さから学園の貴族科の特待生として呼ばれることとなりそこで王子や貴族たちと出会って惹かれ合っていく。
逆ハーレムルートも存在していてその構成もルートによって全く異なってくるのでルート数は攻略サイトに掲載されていただけでも300は超えていた。
つまり慎重に事を進めなければいけない超難易度高めのゲーム。
もちろん順調にいけば王子さまや他の純愛ルートを進めるだろうけど、現実的に考えれば身分差の恋を成熟させるために自分の婚約者を追い落としてまで自分に迫ってくるのだから不誠実にもほどがある。
浮気しないなんて保証はできないも当然だし自分はそこまで悪女に成り切れないと思う。
「まさかゲームのヒロインだなんて小説の流行りは悪役令嬢のざまぁ転生的なのが多いのに寄りによってNTRをするヒロイン。」
気が付いたのは学園に入学するため1月前なぜ今の今まで気が付かなかったのはこの世界で過ごしていくうちに前世の娯楽の記憶が薄れていってしまった。
むしろ前世の記憶を思い出すことは普段使っている数学や物理学、料理くらいでしか思い出すことができなかった。
結局人間使ってないと思い出せないってことね。
今の今まで気が付かなかった私を殴りたい。
このゲームはその後まで描かれていないけど普通に考えて悲惨な目にしか合わないと思う。
「よかったねリヤ、学園の貴族科の特待生に選ばれるなんて凄いじゃないか。」
「我が家の誇りよ。頑張って行ってね。なんなら玉の輿を狙うのもありよ。」
王都に住む両親は花屋で生計を立てている。
乙女ゲームならではの花を愛でる少女という形を色づくっている。
庶民の中でもあどけなさと純粋さを持つ清純派主人公と言った感じなのだろうけど今一度客観的に見ればざまぁされる浮気相手の未来にしか見えません。
「まあまあ、母さん玉の輿なんて狙わなくても貴族科に行けば仕事がもらえるし将来安泰の未来しかないんだから学園に入ってから頑張れと言ってやるのが私たち親としての務めだろう。」
「そうねもし文官に仕官出来たら一年でこの店の売り上げの20年分にもなるだろうし幸せな生活が送れるわ。
きちんと勉学に励みなさいよ。」
お母さんたちは優しく送り出そうとしてくれるけど私には不安でいっぱいだ。
なんせ学園に入ったらきちんといじめられること間違いなしだからだ。
この乙女ゲームでは悪役令嬢の取り巻きたちがいじめを行う設定だ。
悪役令嬢はあくまでも悪役で悪ではない。
ここが共感できるところでもありながら処刑されることはせず元々好きだった幼馴染と結婚をするという不思議な設定の癖に取り巻きたちは昼ドラ並みのドロドロねちねちとした精神攻撃を加えてくる。
やつらさえいなければ悪役令嬢って良い子なのよね。
でも悪役令嬢の子って流されやすい性格があるから助けてくれるかどうかは私のアプローチの仕方次第だし、もし悪役令嬢に関わって返ってこちらに危害が加わるかもしれない。
ああ、前世の悪い癖が出てきた。
悪いことを考えるとどんどん悪い方向にしか頭が働かなくなってしまう。
小説みたいにすっと解決策が思い浮かべばいいんだけど。
なんとか悪い方向に考えないようにと言い聞かせて現状を整理する。
先ず私は
この乙女ゲームはほとんどの場合は婚約者か許嫁が存在する。
その婚約者や許嫁には愛する人が居る。
私こと
製作者側としてはみんなハッピーエンドにしたかったのだろうけどもこれじゃあ
今までプレイする側であまりそういったこと考えなかったけどその先事考えると絶対に破滅の未来しか見えないよ。
貴族からは側室にせずわざわざ正妻にして娶ったのが理解できないだろうし、庶民からも表向きは祝福してくれるだろうけど正妻になったら婚約者がいる男を寝取った悪女にしか見られない。
外交面でも他国からこれ良しなにと攻撃材料にすることだろう。
この国や周辺国の歴史を一通り勉強したけどどこも伝統を重んじる国でまだまだ伝統に偏っているからこんな急な変革をしてしまっては反感を買いかねない。
貴族と結ばれれば外交の隙をつきかねないと現国王から流刑かそれに近い辺境の田舎を任せることを言い渡されるか、首ちょんぱされちゃうかもしれない。
まだ辺境の田舎を任せることを言い渡されて王都にはなかなかこれず偶々目についた村娘を正妻にしてしまったとかって言い訳が付く。
王族と結ばれればもうなんの言い訳もできなくなっちゃうから即刻処刑か周辺国が戦争を仕掛けに来るかもしれない。
逆ハールートなんて考えられないくらい悲惨な目にしか見えないんですけど。
私の人生、お先真っ暗!?
そうならないために絶対に貴族王族と関わらない学園生活を送ってどこか適当なところで商人になって合コン行くんだ!
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スライム道
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