怪しい儲け話
何年も負け続け、ようやく投資の、一つの真理に辿り着いた。それは「ワケの分からない物は触らない」ということである。株式投資なら、背後にあるのは、投資先の株式会社であり、証券取引所であり、証券会社であり、日本円である。そこに信用がある。
大抵の場合、よく知られている投資は地味で、働きの割に稼ぎが少ないものだが、よく知らないものについては、良い話ばかり聞こえて来るものだ。勿論それで大儲けする人もいるが、それは話を持ちかけてくる立場の人だけだ。話を聞いてる時点で、もう分け前はないものと考えたほうが良い。
知り合いから、ゲームで儲けたいという話を聞いた。作るのでも、実況するのでもなく、プレイするだけで月々決まった金が入るとのこと。この段階でもう、ああ、騙されてるなと思った。RMTは全く詳しくないが、取引されるようなアイテム、またはアカウントなんかは、相当運がいいか、長時間プレイしないといけないはずだ。月々いくら、と決まった額が出せるはずがない。
さらに話を聞くと、プレイを他人に委託して、自分は全く何もせずお金が入るようにも出来るとのことで、いよいよ意味がわからなくなった。ゲームをしてお金を稼ぐ、そしてそのゲームすらしないでよい。これを信じるワケはないが、それと同時に疑問も湧いた。これを持ちかける人は、一体どんな得があるのだろうか?
詐欺師は金によって動く。
金を稼がない詐欺師なんかあり得るはずもないが、ここまでの内容で、どこに金銭が発生しているのか。
なんのことはない。
ゲームをしてお金を稼ぐ、しなくてもよいという、この夢のシステムには、登録料がいるらしい。考えてみれば古典的である。昔から詐欺といえば、「これをすればお金がもらえますよ。だから登録料なり、利用料なり、よこしなさい」というのばかりではないか。
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