149 なんで泣いてるの?
(春休みの気持ちよく晴れた日、クラス発表を見にきたギャルちゃんこと有紗とオタクちゃんこと真野)
「えーっと辻堂辻堂……あった、1組だ。あたしの苗字珍しくて目立つから探しやすくてさ。お、マヤちゃんも1組じゃん!」
「えう?! あ、ホントだ! よかった〜!」
「完全なる『心配して損した』じゃん」
「うう……耳が痛い……でもよかった、本当に安心した」
(思わず泣き出す真野)
「ちょ、マヤちゃんなんで泣いてるの? マヤちゃんならあたしいなくてもぜんぜん平気だと思うよ……あたしのほうがマヤちゃんいないと困るんだよ……」
「なんで?」
「あたし脳みそパッパラパーだからさ、マヤちゃんに教えてもらわないと勉強したこと身につかないもん。よかった、今年もマヤちゃんと一緒だ!」
「そ、そう……?」
「あたしまだイラストの描き方ちゃんと習ってないよ、それに雑誌も借りっぱなしだし」
「あっそっか。そうだった……」
「さーて、やることはやったわけで。商店街の和菓子屋さんだっけ? おいしいどら焼き」
「そうだ、おいしいどら焼き! あそこ商売っけないから開いてるかそうじゃないかよくわかんないんだよね……」
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