109 心理テスト

(いい感じの温泉で温まるギャルちゃんこと有紗とオタクちゃんこと真野)


「はあ〜極楽……極楽ついでに言うけどさ、マヤちゃんに言ってなかったことがあって」


「……なに?」


「ずっと黙ってたけど、あたし小学生の最後の三か月、不登校で卒業式も出てないんだ」


「そうなんだ」


「なんで、って訊かないの?」


「気にはなるけど、それをしゃべるかしゃべらないかはアリサちゃんの自由だから」


「ありがと。あのね、小六の冬休みに『心理テスト』流行ってさ」


「ああ、わたしのとこもだ」


「そうなんだ。それでさ、友達だった子がさ、『あなたは未来のあなたに会っています。未来のあなたは何歳ですか? その歳が初体験の歳です』っていうさ、心理テストっつうか占いみたいなやつでキャッキャしててさ、ああこいつら無理って思ったんだ」


「ああ、なんか無根拠なやつだったよね、あのころ流行った心理テスト」


「そう。それでクラスのやつらの顔見たくなくて、卒業式ボイコットしたんだよね。中学はちゃんと行ったけど、小学校の先生が書類にボロクソ書いたせいで先生がたに腫れ物扱いされたんだ」


「そう、そうなんだ。つらいね……つらかったね」

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