59 覚悟

(うかつなことを聞いてしまったと後悔するギャルちゃんこと有紗)


(黙り込むオタクちゃんこと真野)


「あ、や、その、進学するならどこなのかなって……別に無理に答えなくていいよ、ごめん、アハハ……」


「大学にいくよ。大学で英語覚えて日本を出ていく」


「えぇ?! すごい覚悟じゃん!!」


「日本は居心地がよくないと思う。だれも昔のわたしのこと知らないところにいきたいの」


「(本当にすごい覚悟だった……)で、でもそしたらお休みとか気軽に会えなくなっちゃうね……」


「……あぅ」


「や、その、別にマヤちゃんの邪魔しようとは考えてないよ! マヤちゃんのやりたいようにやんなよ! そしたらあたしもやりたいようにできるから!」


「そっか。そうだね、ありがとう。あのさ、わたし……アリサちゃんといろんなことがしたい。差し当たってまずは同人誌即売会にサークル参加してみたい!!」


「えぇ?! サークル参加ってなに?! マンガ売るの?! 無理無理マンガとか描けない!」


「ドールさんの服作らない? わたしお裁縫はダメだけど編み物は祖母に習ったから、ドールさんの帽子とか作ろうと思って」


「そんなの売っていいんだ……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る