42 欲しいもの

(有紗の唐突なドール欲しい発言に震えるオタクちゃんこと真野)


(至って真面目な顔で電話するギャルちゃんこと有紗)


「あ、アリサちゃん。なんでいきなりドール欲しくなったの? こういうオタクっちい趣味、アリサちゃんみたいなオシャレな子には似合わないよ」


「んーん、小さいころ、ずっと着せ替え人形で遊んでて、食玩っていうの? ああいうのも集めたりしてそれで育ったから、なんかドールにも抵抗はなくて。それにマヤちゃんがお迎えしたドールさん、かわいいじゃん。関節とか動くんでしょ? ポーズつけて写真とか撮ったらぜったい楽しいよ。それにマヤちゃんのドールさんに友達が必要じゃん」


「あ、あぅ。気持ちは嬉しいけど、無理に買わせてるなら申し訳ないから、別に無理しなくても」


「だいじょぶバイト頑張ってるし! それにさ、マヤちゃんがドールさんの画像送ってくれてから、それ繰り返し見てる。単純に欲しいんだと思う」


「(ダメだこれはマジで沼落ちしている)じゃあ、近いうちに街まで行ってみる? わたしの家出が堪えたらしくて祖母がお小遣いくれたよ」


「うん! ついでに洋服も見ようよ!」


「わかった。じゃあ、また」

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