31 家出
(怒りつつ電話しながら歩くオタクちゃんこと真野)
(電話の向こうで驚愕の顔のギャルちゃんこと有紗)
「誠実であれって日ごろから言ってる人たちがあの体たらくだから、わたしは家族に絶望したわけ。もう二度と帰らないから!」
「は、はあ?! スケールが大きすぎるよ! いやお年玉預けた結果使い込まれてたらそりゃ怒るわな……うん……」
「だって平均5万円のお年玉を、生まれてから16年間、要するに80万円をだよ?! ぜんぶテレビのアンテナ修理だとか冷蔵庫買い替えたとかそういうのに使ってるんだよ?! ひどいのだとわたしが全然知らない親戚の葬式の香典に使ってるんだよ?! 誰だってキレるよ!」
「ま、まあ落ち着こう。とりあえず電車でお出かけはないとして、夏休み何して遊ぶ? キレてるとまたボクって出ちゃうよ」
「……そうだね。はあ……お祭りにいくくらいしか思いつかないな……あっでも浴衣家だし一人で着られないなあ」
「あたし浴衣二着持ってるし着せられるから、一緒にお祭りいこ! ほとぼりが冷めるまでうちにいなよ!」
「迷惑じゃない?」
「親にマヤちゃんのこと話したらぜひ呼んでって言われたよ!」
「えぅ?!」
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