280:カオスすぎるオフコラボ!①

「ふぅ、暑い⋯⋯」


 7月に入り、強い湿気と高い気温が辛い時期になってきた最初の週末。


 今日は前から約束していたさくらちゃん達とのカラオケオフコラボの日。


 駅前で集合の約束をしているから、約束の場所まで急いで向かうと既にさくらちゃん達は揃っていて、僕の事を待っていた。


「お、遅くなってごめんなさい!」

「大丈夫だn⋯⋯です!

うt⋯⋯私達もさっき来たばかりだから!」

「さくら⋯⋯さくらもぼくと同じになってきたの」

「ち、ちがっ!」

「優希先輩、こんにちは。

 今日も暑いですけど、まずは優希先輩を吸っても良いですか?」

「ちょっ!?何言ってるんだにゃ!?」

「「口調⋯⋯」」

 突然の爆弾発言が飛んできたと思ったら、思わずさくらちゃんがツッコミを入れた。Vの時と同じ口調で⋯⋯


「いやこれはつ、恵ちゃんが!」

「と、とりあえず移動しようなの。

 このままだとボロが出て悲惨な事になりそうなの」

「そ、そうしましょう!」

「あぁ、優希先輩を吸いた⋯⋯」

「「それは後!!」なの!」

「あの、吸われるのは確定なんですか⋯⋯?」


 会っていきなりわちゃわちゃとしてしまったけれど、無事にカラオケ屋さんへと辿り着いた。部屋に入ると恵ちゃんとさくらちゃんはてきぱきと機材をセットする。準備が完了すると早速、配信を開始した。


「みんなこんにちにゃ!

 猫崎さくらと!」

「川嶋繋と」

「聖曽なのと」

『白姫ゆかだよ♪』


:待ってた

:こんにちは

:こんにちにゃー!

:こんにちなのー

:皆テンション高いねー


「というわけで!今日は念願のカラオケオフの日だよ!」

「繋、本当に機嫌がいいにゃね⋯⋯」

「うきうきすぎなの。

 まぁ、なのもうっきうきだから人の事は言えないの」

『え、えっと、みんなよろしくね?』

「とりあえずゆかちゃん」

『ど、どうしたのかな?』

「吸っていい?」

「いい加減にするにゃ!」

「繋?今回のなのはお目付役なの。

 勝手は許さないの!」


:始まったと思ったら最初から繋がクライマックスだった件

:いきなり吸いたいは草

:どこを吸う気ですかねぇ⋯⋯

:ゆかちゃんが押されまくってるの可愛い

:なのちゃんがまとも!?

:マトモナノチャンナンデ!?

:熱出てない?大丈夫?


「なのが先に吸うに決まってるの」

『なのお姉ちゃん!?!?!?!?』

「なるほど、一番吸いは譲れないと言うわけだね」

『一番吸いって何!?お風呂じゃないんだからね!?』

「あんたらは何を言ってるんだにゃ⋯⋯」

「「ゆかちゃんが可愛いから吸いたいって話」」

「吸いたいって気持ちは理解できにゃいにゃよ⋯⋯」


:まともなのが本当にさくらちゃんしかおらん

:ゆかちゃん逃げてええええええ!!

:なのゆか好きなのでもっとやって

浮雲ふわり:私も吸いたいですー

:なんか出てきたw

:私も吸いたいとか言うパワーワードよ


『ボクを吸っても良い事なんてないよ!?』

「ゆかちゃんの香りからしか摂取できない栄養素があるんだよ」

「繋、良い事言うの」

「良い事⋯⋯?もうだめだにゃ、こいつら早くにゃんとかしにゃいと⋯⋯」

『さくらお姉ちゃんが一番安心するよぉ⋯⋯』

「っ!?」


:あっ、刺さったな今の

:何かが刺さった音がする

:クリティカルヒット!

浮雲ふわり:私も言ってもらいたい⋯⋯

:違う意味で刺さってる人いて草

:お姉ちゃんに生まれたい人生だった

:お姉ちゃんの私、勝ち組って事でOK?


「や、やばっ、これがゆかちゃんの本気⋯⋯」

『?』

「「堕ちたな」」

「ちがっ、違うにゃ!

 二人と一緒にしないで欲しいにゃ!」

「最初は違うって皆言うのさ」

「そうなの。気付けば沼にずっぶずぶなの」

「ゆかちゃんが可愛い事は認めるけどにゃ!

 あんまりグイグイ行きすぎたら引くに決まってるにゃ!⋯⋯優しくして、油断したところで美味しくいただくべきだにゃ」


:!?

:さくらちゃ!?

:今とんでもない事言わなかった!?

:気のせい?

:草

:似たモノ同士だったわwwwww

浮雲ふわり:??????


『えっ?』

「さくらちゃん!?」

「さくら、おめー何言ってるの!?」

「どうかしましたかにゃ?」


 私は知らないですよ?といった表情でシラを切るさくらちゃん。ボクの耳にもなんかとんでも無いことが聞こえたような気がしたんだけど⋯⋯


「いや、今ゆかちゃんを美味しくって言ったよね?」

「なのにも聞こえたの」

「気のせいにゃ!」

「後でアーカイブ見て確認しないとなの」

「絶対言ってたと思うんだけどなぁ」

「そんなのはどうでも良いにゃ!

折角にゃんだから、歌うべきだと思うにゃ!」


 さくらちゃんがそう言うも、なのお姉ちゃんと繋ちゃんはなかなか次に行こうとしない。


『それじゃあ、誰から歌うのかな?』

「それじゃあ、ボクから行かせてもらおうかな」

「ゆかちゃんに言われるとすぐに反応するとか、現金にもほどがあるにゃよ⋯⋯」

「それがなのたちなの」

「そういう訳さ。それじゃ、ボクはこの曲を入れて⋯⋯と」


 こうしてカオスだらけのオフコラボが始まった。



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作者の二兎凛です。

ギックリ腰をやってしまい、1週間ほぼまるっと更新が出来ませんでした。

今はある程度良くなってきているので、来週からは普通に更新出来るはず⋯⋯です!

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