271:作戦会議

「⋯⋯というわけで、どうやったらゆかちゃんとオフコラボ出来るか作戦会議を始めたいと思う」

「どんどんぱふぱふーなの」

「いや、なんでウチまで呼ばれたのにゃ」

「お願いです、さくらちゃんくらいしかこの二人を抑え切れなくて⋯⋯」

「まぁ、確かにこの地域住みで二人と仲良いのはウチくらいのものとは言え⋯⋯ウチも結構辛いんだけどにゃ!?」


 この場には繋、なの、さくらそしてこのメンバーを支えるスタッフの合計4人がいた。


「まぁでも、正直聞きたいんだけどにゃ、ウチらがゆかちゃんとオフコラボをするのはOKなのかにゃ?本来は同期でオフコラボとかをするのが普通だと思うんだけどにゃ」

「ふっふっふ、甘いねさくらちゃん」

「ふっふっふ、その為のなのなの」

「何でこの二人地味に相性が良いんだにゃ」

「「ショタ魂⋯⋯だから?」」

「イントネーションが違って聞こえるのは気のせいかにゃ?」

「きっと気のせいだよ」

「気のせいなの」

「まぁ、事務所的に考えたらあまり個人の子に入れ込むのは良く無いんですけど⋯⋯あの子絡むと数字が上がるんですよ実際⋯⋯」

「あぁ⋯⋯なるほどにゃ」

「なのちゃんは普段の1.2倍くらいは硬いですね」

「ちなみにボクは1.3倍くらいになるね」

「皆どれだけゆかちゃんの前で全力になってるんだにゃ⋯⋯」


 そして何故皆口調や名前をリアルに寄せたり呼ばないか⋯⋯それには理由があった。


:物凄いメタ発言飛び出しまくりで草

:こんな会議を配信すなwww

:草

:コメント読んでくれないだけならまだしも俺たちは何を聞かされているんだ(困惑


 そう、この様子はラジオでお届けされていたのだ。


「それで、どうやってゆかちゃんを誘うの?」

「食べ物で釣るっていうのはダメだろうか」

「人としてどうかと思うにゃ」

「だって、ゆかちゃんと言えば甘いものじゃないか」

「否定はしないの、でもそれはどうかと思うの」


:ナチュラルに酷いw

:ゆかちゃんはペットだった⋯⋯?

:ペットなゆかちゃん⋯⋯良い⋯⋯

浮雲ふわり:何やってるんですかーこの子達は⋯⋯

:ふわちゃん来て草

:言ってやれ!

浮雲ふわり:まぁー私はーゆかちゃんに手料理振る舞っちゃいましたけどー??

:は?

:は?

:は?

:は?

:ふわちゃんそこどいて、私が振る舞うの

:ちょっと、それは世間が許してくれませんよ?

:怖い人達いっぱい⋯⋯


「あ、あの、コメント欄が凄く盛り上がってるんですけど⋯⋯」

「どうせふわりがゆかちゃんにご飯ご馳走した話に決まってるの」

「なの先輩はなの先輩でふわり先輩の理解度高いよね」

「当たり前なの、ふわりとはもう何年もの付き合いなの」

「ふむ、つまりなのふわ?それともふわなの?」

「どっちでも良いの」

「それ肯定しちゃうのかにゃ⋯⋯」

「正直一緒にいて一番気楽なの」


浮雲ふわり:あの、あの⋯⋯むず痒いんですけどー

:唐突なてぇてぇ成分の補給助かる

:たすかった

:あぁいいですわぞぉー

:滾るね

:

:死んでるやついて草


「そんな事は置いておいて、ゆかちゃんを誘う良い方法があるの」

「それは一体何なんだい?」

「正直にお願いするの」

「おぉ、なの先輩とは思えにゃい良い案にゃの」

「正直、ゆかちゃんは配信でこそ結構天真爛漫なところがあるけど、実際のゆかちゃんは大人しめな子なの」

「つまり、必死に頼み込んでゴリ押す⋯⋯って事だね」

「てめー話し聞いてたの?」


:なのちゃんwww

:言葉遣いwww

:繋ちゃんにしか出さないこの感じほんま好きw

:なのちゃんのてめーって声、くせになる⋯⋯

:わかる


「普通にお願いすればいいだけなの、わかったの?」

「わ、わかったよ」

「ならヨシ!なの」


:なのちゃんがまともな事言ってる⋯⋯

:あのなのちゃんが⋯⋯

:いやなのちゃん通常配信なら普通だろ!?

:そういえばそうだった


「あの、スタッフさん」

「ど、どうかしましたか?」

「ウチ、必要だったかにゃ⋯⋯?」

「⋯⋯暴走止めれるのさくらちゃんしかいないからいるだけでありがたいですよ?」

「なら良いんだけどにゃ⋯⋯」


:ちょっと無力感感じてるさくらちゃん可愛い

:スタさく⋯⋯?

:何でもカップリングにすなwww

:スタッフとのカップリングは流石に草


「それで、オフコラボって言っても、何をするか決めてるのかにゃ?」

「勿論!カラオケに決まってるだろう!」

「ウチも参加するなら許可するにゃ⋯⋯」

「ど、どうして!?!?」

「いや、今までの行いを考えてみるにゃ」

「そうですよ、今までうちのライバー何人毒牙にかけようとしたと思ってるんですか」

「いや、毒牙だなんてそんなつもりは毛頭無かったんだけど⋯⋯」

「急に素に戻るにゃ!ビビるにゃ!」

「えぇ⋯⋯どうしろって言うんだい⋯⋯」

「とりあえず今日の結論はゆかちゃんにちゃんとお願いすることにゃ!」

「わかった、それはちゃんとするよ」

「それならヨシにゃ!」


「ってよく考えたらなんでウチが仕切ってるのにゃ」

「何でだろうね」

「なのにもわからないの」

「私のせいでしょうね⋯⋯」

「まぁ、いいの。ゆかちゃんの貞操はうちが守護るの」

「普通逆なんだけどなぁ⋯⋯」


:守護神さくらちゃんが爆誕した

:守護神で草

浮雲ふわり:わ、私はだめですか?

:さくら「ふわちゃんアウト」

浮雲ふわり:大事にしますからあああああ!!!

:そう言う問題じゃないwww

:草


「でもお二人とも、オフコラボの機材の使い方とか大丈夫ですか?」

「「えっ」」

「貸出はしてますけど、まずは操作に慣れる為に二人でオフコラボをした方が良いと思いますよ?」

「⋯⋯それなら先にさくらちゃんと一緒にやろうか」

「そうだにゃー」

「オフコラボはいつやろうか?明日?今日?」

「おめーバカかにゃ?」


 そして、二人はその後の休日にオフコラボをやって、盛り上がった後、ゆかちゃんにお願いをする事になったとか。

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