262:ふわちゃんの作戦会議配信

「ゆかちゃんとのオフコラボ⋯⋯絶対に成功させてみせますよー!」


 浮雲ふわりは、聖曽なのと二人でゆかちゃんとのオフコラボに備えて作戦会議配信をしていた。


「そんなに意気込むのは良いけど、一体何をやるつもりなの?」

「それは⋯⋯私にもわかりませえええええん!!!どうすればいいと思いますかなのちゃん⋯⋯」


:配信開始したと思ったら意気込み語り始めるし作戦の内容0なのほんま草

:まぁあんな事あったら焦る気持ちは分かる

:でもゆかちゃん男なんだよな⋯⋯もしくっ付いたら⋯⋯いや、何故だ全く嫉妬心が湧かない

:ふわちゃんもそろそろ⋯⋯お付き合いする相手いても良い歳だからね


「まるで私が行き遅れみたいに言うのやめてもらえません?」

「ふわり⋯⋯素が出てるの」


:ちなみになのちゃんにも浮いた話は無いの?


「うるせー黙れなの」

「なのちゃん⋯⋯なのちゃんには私がいますからね⋯⋯」

「ふわり、ふわりはまずは勝負から逃げるななの」

「に、逃げてませんよー?」


:ふわなのたすかる

:ふわなのいいぞぉ

:あ^〜

:ごいりょくきえました


「ほ、ほら、皆さんもふわなの助かるって言ってますし⋯⋯!」

「まぁなのもふわりの事は好きなの。

 でもそれとこれとは別なの」

「なのちゃん⋯⋯」

「と言うわけでチキチキ!ふわりとゆかちゃん仲良し大作戦の作戦内容を考えるの!」

「チキチキっていつのネタですか⋯⋯」

「えっなの」


:古いよ⋯⋯

:今時きかないよねw


「う、嘘なの⋯⋯なののお家だと未だに見てるの⋯⋯お母さん達はやっぱこの時代のバラエティが良かったって言ってるの⋯⋯」

「懐古厨で草ですねー」

「で、でも最近のテレビはつまらないの!」

「過激なネタとか出せませんからねー

 でも、木曜日のタウンタウンとか結構過激なネタ多いと思いますけどー」

「なにそれなの」

「知らなかったんですか?後で教えてあげますね」

「わーいなの!じゃあお礼にだけど、なのが考えた仲良し作戦を話すとするの!」

「わーい!」


:わーい!

:なのちゃん、君は常識人であってくれ⋯⋯

:なのちゃんにそれ期待するの酷じゃね?


「なんか酷いこと言われてる気がするの。

 でもとりあえず話進まないからなのの案を話していくの」

「はい!なの先生お願いします!!」

「じゃあまずは⋯⋯まずはふわりはボディタッチを少し減らすの」

「私に死ねと言うんですか?」


:草

:草

:草

:草


「いや多分ふわりが思ってるのとはちょっと違うの」

「どう言う事ですか?今私は冷静さを欠こうとしていますよ?」

「ちょっとは落ち着くの。

 まずふわりはゆかちゃんと距離を一気に詰めようとしすぎなの。

 ふわりは言っちゃうとあれだと思うけど、かなりの美人さんなの、そんな人に急に距離詰められたらあんなぴゅあぴゅあな男の子だったら逆に萎縮しちゃうの」

「⋯⋯な、ナルホドー?」

「分かってるの??」

「ワカッテマスヨー」

「⋯⋯まぁいいの。

 それでまずふわりがするべき事は⋯⋯頼りになるお姉さんになる事なの。

 ぶっちゃけ途中まで出来てたのに何で暴走したのかわからないの」

「だって可愛いからつい⋯⋯」

「特に、あのTRPGオフコラボは酷かったの⋯⋯カラオケも大概だったと思うけど、あの日はあの後の対応が良かったからまだヨシとするの」

「えへへ、なのちゃんに褒められちゃいましたー」

「いや褒めてはないの」


:褒めてないが!?

:もうだめだ、ふわちゃん、良い奴だったよ

:ふわちゃんは既に壊れていたか⋯⋯


「それで?どうやったら頼りになるお姉さんになれるんですか?」

「まずは、協力プレイするゲームなんかでリードしてあげたりなんて軽いものからやって行くと良いと思うの」

「軽く無いものは?」

「何でそれを先に聞こうと思ったの」


:急ぎすぎなんよw

:千里の道も一歩からって言うじゃない

:確実に距離を詰めるのじゃよ


想い人への愛に溢れる若人よ、わしが汝に道を示してやろう。まずは一旦深呼吸をして、もう一度何をするのが正しいか考えるのじゃ

¥1000


:割とまともなアドバイスしてくる神様で草

:神様がスパチャは草


「すぅ⋯⋯はぁ⋯⋯

 何をするのが正しいか⋯⋯ですか」

「な、なんか怖いの⋯⋯」


:なんか流れ変わったな

:ちょっとシリアス?


落ち着いた今の状況で、想い人が喜んでくれそう、そして、頼りになる人だなと思わせられるような事を考えるのじゃ

¥1000


「なるほど、神様スパチャと助言ありがとうございます。 今の私に出来る事⋯⋯分かりました」

「⋯⋯言ってみるの」

「私がゆかちゃんにお弁当作って食べさせてあげれば良いんですよね!!」

「それはふわりの欲望なのおおおおおおおおお!!!!!!!」


違う、そうじゃない

¥500


:草

:草

:草

:神様まで突っ込んでて草


「ふわり、本当に可愛い子相手になるとポンコツになるの⋯⋯心配なの⋯⋯」


:なのちゃんに心配されるって相当なんだがw

:ふわちゃんはポンコツ、うち理解した

:ゆかちゃんは確かに料理得意だからご飯とか作ってあげたら喜びそうではあるけどさぁw


「じゃあ私考えました。

 ゆかちゃんの好きなものを詰め込んだゆかちゃんランチボックスを作ってあーんしてあげるんです!」

「欲望の塊で草なの」

「キャラ弁とかも良いですよね⋯⋯特訓しないと⋯⋯」

「いやキャラ弁は数日の練習でどうにかなると思えないの⋯⋯」

「なのちゃん、良い事を教えてあげます」

「な、何なの?」

「私の愛は、不可能を可能にするんですよ」

「何漫画の主人公みたいな事を言ってるの!?

 あ、出来ればなのに味見させて欲しいの」

「むしろ助かりますねー」


:しれっと練習させつつ手料理食おうとしてるの草


なのふわてぇてぇのじゃ

¥1000


:神様www

:神様何やってんだw


「じゃあ早速練習したいと思うので、まずはお買い物に行ってきましょうかー」

「なのも行くの!」

「じゃあ一緒にお買い物しましょうかー」

「わーいなのー!」


:作戦会議とは一体⋯⋯


「胃袋掴めば実質勝ちですよね!」

「え、えぇ⋯⋯ふわり楽観的すぎるの⋯⋯」

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