122:風邪の後の配信!(後編)

 背景が変わりましゅまろの画面が映し出された。

『ボクは端っこに移動して⋯⋯っと。

 それじゃ読んでいくからね!』


:な、なんだと背景がましゅまろに!?

:おぉ、凄い

:地味に端っこに行ってるのかわいい

:縮こまってる感出て可愛い


『ふふ、皆ありがと!そんなに難しくはないから手間にはなってないんだよ?』


:ならよかった

:新技術でゆかちゃんまた体調崩したりしたら寂しいからね...

:ゆかちゃんが大丈夫なら私は一向に構わん!

:エッカイオウさん!?


『それじゃまず一個目のましゅまろは⋯⋯』


「もうすぐ冬コミの時期ですけど、ゆかちゃんは今回何を頒布するんですか?」


『うん、いきなりきたね!』


:気になる

:ASMR?

:ゆかちゃんと言えばASMRだよね

浮雲ふわり:今回こそ並んでやりますー!

:前回並べなかったって言ってたもんねふわちゃん


『まず確定で出すのはASMRだね!今度のは王道とも言える耳かきボイスだよ!』


:うおおおおおおおまじかああああああ

:やっっっっっったぜ!!!!

:俺今日から耳掃除出来なくなる...

:いやしろよw

浮雲ふわり:あっあっ、わたし死んじゃいますー

:約束された尊死の声...

柿崎ゆる:ASMRに関しては私も楽しみに待ってるからね!


『うん!皆コミケをお楽しみにね!

 それともう一つ、これはゆるお姉ちゃんにお願いしてオッケーも出たから出せるんだけど、なんと缶バッジも制作してるよっ!!』


:ふぁっ!?

:缶バッジ!?

:とうとう公式グッズが来たかァ!


『しかも、なんと驚きの六種類と、おまけで一種類だよ!』


:ガチャかな??

:ガチャだこれ...

:絵が気になる...

柿崎ゆる:結構自信作なんだよね今回のイラスト、それにおまけはゆかちゃんの自作イラストだよ

:え?

:ま?

浮雲ふわり:つまり...

:ゆかちゃんが描いたの...?

:そんなの死んじゃう

:だ、大丈夫?出せる?


『み、みんな失礼だよぉ!ボクだって普通の時はあそこまで酷く無いんだからね?』


柿崎ゆる:ゆかちゃんの希望で少数しか生産してもらってないから貰えたらラッキーくらいに思ってくれたらいいかな?

:ちなみにクオリティは...

柿崎ゆる:想像以上によく描けてたよ、私が仕上げに色つけたりしたから安心してね

:おぉ、それは楽しみだ


『ただね、会場で頒布する時は個数制限を付けると思うけど、無理せず買ってくれると嬉しいかな!』


:大量転売対策にもなるしいいと思う

:出来れば各種は買いたいな

浮雲ふわり:全種類集めるの不可能なのでは無いでしょうかー

:買えればワンチャンあるんじゃ?

:でもお高いんでしょ?


『それでね、ひとつだけ皆に聞きたいんだけど、マグネットタイプとクリップピンタイプだったらどっちがいいかな?』


:クリップピンかな、鞄とかに着けやすいんだよね

:マグネットかなー冷蔵庫に紙貼り付けるのに丁度欲しかったんだよね

浮雲ふわり:これは迷いますねー

:うん、これはすごく迷うね

:わたしはクリップピンかなー


『クリップピンの方が人気ありそうだね!マグネットタイプは万が一追加するなら考えておくね!ちなみに値段は300円を予定してるよ!』


:あらお手軽価格

:安くていいね!

:通販とか考えてないかなぁ...

:俺も冬コミはキツいから通販して欲しい...

柿崎ゆる:通販用に発注するのも良いと思うけど残った時が大変かな?

:全部かいまぁす!

:遠慮せず買ってもいいのか!?


『ボクの予定では全種セットを販売するつもりだからダブりとかは心配しないで良いと思うかな?」


:気に入った絵柄トレードするのも良いかもなぁ

:女の子オタはよくやってるらしいね

:推しの缶バッジとか大量に集めるやつね

:逆に言えば俺たちも気に入った絵柄あったら無限に回収していくのもありなんだよな

:いいね、こういうの楽しみだわ


『ふふっ楽しみになってくれてよかったな!それじゃ次に行くからね!話しすぎちゃったからあと二個か三個かな?』


:時間過ぎるのはあっという間だのう

:しゃーない

:また見にこればいいしな

:また一週間がんばろ!


『それじゃあ次のましゅまろいくね!』


「実は自分ゆかちゃんも好きなんですけど中の人も大好きなんです。

 なのでリアル配信もうちょっとして欲しいなーと思うんですけど検討してくれると嬉しいなぁ...」


:わかる

:わかる

:わかる

:わかるわ

:わかる

:わかりみしかない

浮雲ふわり:わかります

柿崎ゆる:わかる...


『えっ!?』


 ボクはあまりにも唐突に中の人について突っ込まれたのもあって変な声が出てしまった。


『う、うーん⋯⋯』


:もうどうせ顔出ししてるんだし!

:確かに!たまにはリアルも見たい!

浮雲ふわり:呼びました?

:呼んでないw

:ちがいますよ????

浮雲ふわり:わたしもゆかちゃんとリアルで顔出ししたいですうううう!!

:企業勢だろ!?

:企業勢が顔出しはまずないってwww

:あったら面白いと俺は思うぜ


『うぅ⋯⋯そ、そのうちね!』


:言質は取ったぞ!

:待ってるよ?

:ゆるママとリアルコラボみたい

柿崎ゆる:まぁ、私はいいですけどね?

:はいノリノリ

:その前にゆるママのVデビューは?


『た、確かに!ゆるお姉ちゃんはVtuberやらないのかな!?』


:露骨な話題逸らし草

:露骨ゥ!

柿崎ゆる:うーん...やるにしてもあんまり面白い配信にならないよ?

:絵師だし絵を描く配信とか?

:無言タイムになりそう

:難しいか...?


『ボクは見に行くよ?』


柿崎ゆる:い、一回くらいなら...いやでもモデルが...


YURA

私が来た

¥1000


柿崎ゆる:ゆらぁ!?

:私に任せて!!!イラストだけ頂戴ね!!!

柿崎ゆる:えっ、いやその...

:外堀埋まってて草

:いいぞYURA先生!

:もっとやれー

:わたしもみてみたーい!


『という事でゆらお姉ちゃんに後はお任せだね!』


:いいぞ

:適材適所ってやつをちゃんと理解しているなえらいぞ!

:モデルはモデル屋だな!

:名義はどうするの?

:そのままじゃね?

:あえて白姫名義を使うのもいいのでは?

:白姫ゆる...

柿崎ゆる:あの、皆さん!?

浮雲ふわり:今日からわたし、白姫ふわりになります!!!!

:おい待て

:待てお前ら俺気付いてしまった

:どうした?

:白姫ゆる、これはつまりゆかちゃんと結婚したのでは?


『けっこ⋯⋯!?』


:キマシタワー‼︎‼︎

:これはキマシ

:キマシタワー‼︎

:キマシタワーキマシマシマシデ‼︎

浮雲ふわり:それはだーめーでーすー!!

柿崎ゆる:私が、ゆかちゃんと...

:...ん?

:なんか...

:満更でも...?


『いやいや!まだボク結婚出来ないからね!』


:つまり年齢の問題解消したら...

:これはこれは

:キマシタワー?

:キマシタワー!

柿崎ゆる:ま、まだそんな関係じゃないかた!

:ま、まだ?しかも誤字ってるw

浮雲ふわり:ゆるさん!?

柿崎ゆる:あ、あうあうあう.....

:なんだこの流れ


『こ、この話はおしまい!恥ずかしいったらありゃしないよ!』


:にやにや

:2828

:にちゃぁ

浮雲ふわり:お姉ちゃんは認めませんよ!

:誰がお姉ちゃんか


にやにや

ニヤニヤ

¥2828


:スパチャで全力でニヤニヤしてて草

:草


『も、もう!そんな風にスパチャ悪用して!だめだよお兄ちゃん!』


:ゆかちゃんに怒られた、なんか嬉しい

:だめだこいつ...

:Mかな?

:Sでもあるんだよな...

:表裏一体...


『そんな事ばっかりやってるから時間やばくなっちゃったよ!』


:ごめん

:ごめんて

:ごめんよ

:すまない

:すまにぃ

:本当に申し訳無いと思っている

:許して....

:許してクレメンス...


『これでラストにするからね!』


「イケボゆかちゃんが久々に聴きたいなー」


『やりやすいお題で助かった⋯⋯』


:最近無かったね、聴きたい!

:かもん!


『んっ⋯⋯』

 ボクは喉を少し調整した。


『それじゃ、配信はこれでお終いだ、あばよダチ公!』

 昔有名だったキャラのセリフをモジってボクはそう言った。


:アニキィィィィィ!!!

:何で死んだんだよ....

:アニキ....アニキ...

:プニキ....

:今違うアニキ混ざってたぞ

浮雲ふわり:ゆかちゃんお疲れ様ですー

柿崎ゆる:ゆかちゃんお疲れ様ー


『(よかった、ネタ通じたみたい)』


------この配信は終了しました------

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