117:ハロウィン配信!④

 ボクはパティシエシミュレーターを起動してゲームを始めた。


『タイトルの時点だと変なところは無いけど、そんなにヤバいタイトルなの?』


:ヤバいというか

:発狂しそうになるというか

:開発陣が頭おかしいとしか思えないというか

浮雲ふわり:操作性が酷いというかですね

柿崎ゆる:そんなに酷いんだ

:あれはやばいよ

:マジでやばい


『もうコメントから嫌な予感しかしないんだけど???』


:まぁ、頑張れ!

:頑張って!

:がんばえ!


『まぁ、いっか!それじゃゲームスタートっと!』


 そしてゲームが始まるとチュートリアルが始まった。


『うんうん、チュートリアル始まったね』


:全部英語なんだよな...

:英語なんだよね...

:全英字で草

:流石に読めない

:翻訳機能とか言語選択は?

:そんなものはない

:いつの時代のゲームだよ

浮雲ふわり:詰みポイントの一つですね

柿崎ゆる:ニュアンスは伝わってくるけど流石に全部は読めないね...

:ニュアンスだけでも把握出来るゆるママ頭いい

:俺ちんぷんかんぷんなんだけど

:これ何語?

:いやだから英語だって

:英語って何語?

:草

:もうだめだこいつ...


『うん、全然わかんないね。

 単語だけならまぁまぁ分かるけど⋯⋯』


:ですよねー

:まぁ日本人だし、日本語以外わからないの普通でしょ

:それな

:ワタシエイゴワカリマセーン

:英語っぽく言っても無駄だぞ


『うーん⋯⋯あ、でもなんとなくは理解出来るかも⋯⋯?』


:まじか

:ゆかちゃんかしこい

:やるじゃん!

:しゅごい


『うーんと、まずレシピを見て⋯⋯』


『小麦粉120g、バター50g、卵1個、グラニュー糖40g、塩少々が材料で⋯⋯』


『作り方は分かってるから大丈夫だから、材料を集めてこればいいのかな?』


:うん、そうだね

:集められるかな?

:最早集められるかどうかの心配になるの笑う


『えーっとまずは小麦粉を......120g。』

 ボクはVRのコントローラーを操り小麦粉を容器に入れる。


 120gになったら止めて他の材料を取りに行く。


『次はバター、えっカットする必要があるの?』

 そしてボクはデカいままのバターをナイフで切り、50gになるように調整する。


:まだ普通

:下手な配信者だともう壊れてる

:さすがゆかちゃんだぜ


『まだ始まったばかりだよ?流石にそんな直ぐにはこわれな』


 そう言いながらボクが卵を掴んだ瞬間に事件は起きた。


『!?!?!?』


 卵に触れた瞬間に卵が跳ね始めた。

 床に、天井に、壁にガンガンぶつかる卵達。


:今回は卵がバグったか...

:荒ぶる卵で草

:割れないのかよwww


『あっ、窓ガラスにぶつか⋯⋯え?』


 卵が割れずに何故か窓ガラスが砕け始めた。


『待って待って!普通卵でガラスは砕け無いよね!?』


:始まったwww

:ぶっ壊れたwww

:ちょwww

浮雲ふわり:こうなったら終わりですねー

柿崎ゆる:何このゲーム

:酷すぎる...



『えっ!?待って身体に当たってるしなんか怯み動作が!?』


:なんか変なゲージ出てきてない?

:ほんとだ

:なにこれ?


『いやほんとだね!?なにこのゲージ!?』


:これ卵当たるたびに減ってない?

:あっほんとだ

:HPゲージあったのかよwww


『とりあえず1個だけでも確保しなきゃ!』


 そして卵を一個取ると離れた場所に移動した。


『卵が割れた窓ガラスから外に出ていってる⋯⋯』


:なんだこの光景

:こwれwはwひwどwいw

:草不可避

:草


『静かになったね⋯⋯』


:厨房内部ぐちゃぐちゃで草

:もう何が置いてあるのかさっぱりだな...


『グラニュー糖40g⋯⋯』


:しかしゆかちゃんまさかのこの惨状をスルー

:スルーは草

:平然と続きやるの草


『バター潰してクリーム状に⋯⋯なるの早くない!? まぁいいや、グラニュー糖入れて、塩ぱらぱらっと』


:さーて次の事故ポイント来るぞ

:小麦粉は投入するときにバグる


『小麦粉を⋯⋯なにこれ』


 ボフン!と小麦粉が宙を舞った。


『どうやってクッキー作れって言うのさ!?』


:草

:小麦粉www

:今回は舞ったかwww


『もう一回小麦粉取りに行こうっと⋯⋯』


 そしてコツン、と何かが足に当たった音がした。


:あっ

:これは

:やばい

:死んだか?


『また卵おおおおおおおお!!!!』

 カンカンカンと部屋中を跳ね回る。


 そして⋯⋯


『あっ』


:あっ

:あっ

:あっ

:あっ

:あっ


 卵がガスボンベに激突したその瞬間、大きな火花が発生した。


 ドカン!と大きな音がしたと思ったら視界が真っ白に染まった。


『まぶしっ!』


:あっ

:死んだ?


 白く光るのが収まったと思ったら目の前にはGAMEOVERの文字が。


 そしてその下にはあなたは死亡しましたと英語で表示されていた。


『なんでお菓子作るゲームで死ぬのかな!?』


:流石シミュレーターシリーズだな

:全然シミュレートできてないの草

:草


 その後は無事にクッキーを作る事が出来たけど、もう二度とやりたくないと思ったボクだった。


『ふぅ⋯⋯やっと完成したね』


:お、おつかれ...

:ゆかちゃんお疲れ様...

:5回やり直してやっと完成したか...

:ほんとお疲れ様...

柿崎ゆる:お疲れ様...大変だったね...

浮雲ふわり:このゲームちゃんとお菓子作れたんですね...


 皆疲れてしまったのもあり、ここで配信は終了することに。


『なんかもうグダグダになっちゃって申し訳ないけど、これで終わりにするね⋯⋯あっそうだ』


:うん、仕方ない...

:俺も疲れた...

:正直結構いい時間だしね...

浮雲ふわり:ゆかちゃんお疲れ様ですー

柿崎ゆる:お疲れ様ゆかちゃん



 そしてボクはこっそりとバイノーラルマイクの電源を入れた。

 そしてモデルも瞬間的にゆかにゃんに変更。


:?

:??

:???


『お兄ちゃん、お姉ちゃん、おやすみにゃん♪』


柿崎ゆる:

浮雲ふわり:







------この配信は終了しました------



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昨日投稿出来なかったので今日は2話投稿です!

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