77:チャンネル登録者10万人?突破記念配信②
(ふわちゃん視点)
私は今ゆかちゃんの配信で企画されたバトロワ大会に参加しています。
今回参加しているブロックのメンバーを見て私はちょっと唖然としました。
なんとプロゲーマーや、ゲームが上手いと評判のVtuberがこのブロックに参加しているからですね。
今回のこの大会は同時に二試合行われます。
それで少しずつゆかちゃんの視点が変わるらしいので、少しでも映った時にカッコいいところを少しでも見せようと私は張り切っていました。
「やばいですねー、プロゲーマー相手では流石の私もスニーキングに徹するほかありませんねー」
私も配信をしながらやっているので配信中はゆかちゃんの画面は見にいけない。
だからこそ、試合を頑張らなきゃ!
このゲームでは大きく分けて四つのエリアから構成されていて、落ちている装備の性能は高い代わりに数の少ない工業エリア。
落ちている装備の種類や性能は満遍なくある代わりに一番広い農場エリア。
落ちている装備は少ないけど過疎りやすい位置にある住宅エリア。
最後は大きな島がぽつんと存在している孤島エリア、ここは毎回全てのアイテムがランダムというギャンブルエリアでロマンを求めてこの場所へ向かう人も少なくないです。
私はスニークする前に装備が必要と考えて住宅エリアへと向かう事にしました。
あとはゆっくり詰めていけばいい、その後の事はその時に考えましょう。
そしてパラシュートを広げながら住宅エリアにある一軒家のベランダに着地した私は部屋を物色していきます。
そこで私は威力の高いハンドガンと防弾チョッキ、それとバックパックを入手しました。
「回復アイテム取れなかったの結構厳しいですねー」
コメントを見る事が出来ないので完全に独り言になってるけど、こういうゲームをやる時は仕方ないよね、うん。
それから近くの家を漁っていると私と同じ考えを持ったであろう人に出会いました。
初心者だったのか動きが良く無かったのでハンドガンでヘッドショットを決めて私の勝利。
でもまだ80人残っているから気が遠くなりそうですね。
戦利品はサブマシンガンとその銃用の少しの弾、それと回復薬(小)が三個。
無いよりは全然マシ。
だけどこれで一位を取れるほどこのゲームは甘くないんですよね。
早いところアサルトライフルやスナイパーライフルを手に入れないと...
(ゆるママ視点)
私は最近今日の大会のためにこのゲームを始めた。
由良にある程度操作を教えて貰ってからは隠れながら生き延びる事を覚えた。
元々ゲームはちょこちょこやっていたから操作には直ぐに慣れたけど、とにかく本番では回復アイテムを拾いまくり回復しつつ生き残ろうっていう算段だね。
その為にも私は何が落ちているか分からない孤島エリアへ降りる事にした。
ここなら武器も薬も大量にある可能性があるから。
降りる時に周りを見てみると数人がこの場所に降りているようだった。
アイテムを急いで回収して撤退しよう。
流石に一対一の撃ち合いになったら私に勝ち目はないからね⋯⋯
アイテムを集めていると何か音が聞こえた気がした。
「あっ」
目の前には完全武装した敵が。
たまたま手に持っていたアイテムがスタングレネードだったので急いで投げる。
お願い間に合って!
相手もヤバいと思ったのか此方に照準を合わせて撃ち始めてきた。
何発か食らってしまったけれどまだ大丈夫。
爆発の音がすると私の目の前にいた敵は怯んだ。
急いで私は外に向けて走り出し、一目散に逃げ出した。
効果は数秒しかないからとにかく距離を稼ぐしかない!
私のいた場所の外にはバギーが置いてあったので急いで乗り逃げていく。
こうなったら回復薬はそれなりにあるから、住宅エリアに向かって武器の回収を考えよう。
今の私がショットガンでも持っていたらさっきの敵を倒せたんだと思うんだけど、無かったから逃げるしか無かったのは地味に悔しいから余計に武器が欲しいところだよね。
まだ生存者は70人も残ってる、頑張って隠れないと⋯⋯
♢(????視点)
〈思っていたよりも敵が弱かったなぁ〉
彼女は開始から十分もするとほぼ全てのプレイヤーをキルしていた。
残りの人数も僅かとなってきている。
彼女の動きを見たものは全員チートだと叫んでいたが、彼女はそのコメントを読みこう呟いた。
〈上には上がいるって言葉知らないのかな?
私はプロゲーマー、その中でも世界一の名を貰うほどの人間だよ?〉
彼女の配信画面では大人気ないなぁと沢山の人に言われていた。
〈それは仕方ないよ、白姫ゆか、私はその子に会いたいんだ。こんな機会、逃すわけにはいかないよ〉
そんな中彼女の配信にやって来ていた日本人のリスナーがチートだろ!と叫び始めた。
確かに彼女の腕前はチートとしか思えない程に無茶苦茶だ。
だが彼女には見えている。
人の姿が、影が、視界に動いているその全てが。
そして彼女は言った。
「シュギョーがタリヌデス!オトトイキヤガレデス!」
彼女は片言の日本語で日本人のリスナーに返事をした。
そう、彼女は日本が大好きなアメリカ人だったのだ。
「このエミリーにカトーナンテヒャクネンハエーデス!」
彼女は、いや、エミリーは可愛いアバターを動かしながらそう言った。
♢
『ね、ねぇ皆?今の見た⋯⋯?』
:何だよ今のチートじゃないのかよ
:あんなん勝てるわけねぇよ...
:ん?エミリー?なんか見たことある気がするな
:有名なん?
:あれじゃね?海外のプロゲーマーYoutuberのエミリー
:あああああ!それだ!!!
:プロゲーマーにしても上手すぎんだろw
:なんかビュンビュンしてたねー
:よくわかんなかったー
:気付いたら皆死んでたねー
『ボクもあんなのと戦うの⋯⋯?』
:が、がんばれゆかちゃん!
:ファイトー!
:がんばれー!
:応援してるよー!
『う、うん。リス兄、リス姉ありがとう!』
『あっそうだ、次のブロックに出る人達は十分後にはマッチングが始まるから注意してね!』
:はーい!
:わざわざありがとうゆかちゃん!
:俺頑張ってくるから俺の勇姿見届けてね!
:試合の人がんばー!
『それじゃあ次はふわちゃんのいるこのブロック見ていこうか!』
ボクは自分のアカウント自体を大会運営用のアカウントに一時的にしているので観戦が可能になっているよ。
だから配信で少しずつ試合を見に行ってるんだ。
試合は最大で二十分になるように設定しているので2ブロックを五回、合計約百分が予選の時間になっている。
⋯⋯結構長いね。
それから、ふわちゃんの様子を見に行ったら、その瞬間にふわちゃんがやられちゃった。
匍匐で移動している最中に車で移動している人に轢かれるって言う完全な事故死。
ちょっと可哀想だけど、これも勝負だから仕方ないよね⋯⋯
♢
『これで全部の予選が終了したみたいだね!』
それから残りのブロックを見終わったボクはロビーに戻るとそう言った。
ちなみに、ボクの知ってる人だとゆるママと、ゆらお姉ちゃんとナイトハルトさんの三人が決勝に進んだんだよ!
ゆるママはハイドで、ゆらお姉ちゃんはハイドしつつ最終収縮でギリギリ十位以内に入って、ナイトハルトさんはまさかの一位!
結構強そうな人が多かったけど、冷静に立ち回ったお陰か見事に勝利を掴んでいたよ!
:長かった...
:次の試合でラストか?
:誰が優勝するんだろうな?
:私分かんないけどなんかスポーツ見てる感じで結構楽しいかも
:あーそれ分かるかも
:eスポーツって言うくらいだしあながち間違いでもないんだよなぁ
『それじゃあボクも準備をしてくるから、今から十分後、決勝ブロックのスタートだよー!』
:うおおおおおおお!!!!
:ゆかちゃんがんばれー!
:私負けないよ!
浮雲ふわり:うぅ...残念です...ゆかちゃんの勇姿を見させてもらいますぅー
柿崎ゆる:私速攻でやられちゃいそうなんだけど...
:ゆるママ...強く生きて...
:ふわちゃんもドンマイ...
そして準備を終えたボクはPSKGの大会マッチングを開始した。
最終戦、きっとレベルが段違いだろうけど、楽しんでいかないとね!
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