75:文化祭の詳細が決定したよ!

 教室の中が女子達の叫び声で埋まった後、料理は何を出すか、また保健所へ許可を取りに行く人などを決めたりした。


 基本的に手の込んだ料理は作れないのである程度簡単なもの、また、仕込みには時間がある程度かかるけど提供は簡単なカレーライスなどが案として出された。


 カレーの場合は先生から教えてもらった事だけど、当日中に煮込んだものじゃないとダメらしい。


 残った場合は自分たちで終了後に食べるなりして処理する事を伝えられた。


 確かに食中毒が起きたら学校全体に迷惑がかかるから、それは仕方ないね。


 あとはデザートとしてクレープなども挙げられた。


 そして他に何かいいものが無いか聞かれたので僕はここで一つ案を出すことにした。


 主食がご飯だけっていうのは寂しいからね!


「僕、パスタとかいいと思うんだけど、どうかな?」


「パスタかぁ⋯⋯」

「ソースの作り方とかいまいちわからないんだよね⋯⋯」

「麺なら茹でれるぞ!!!」


 クラスメイト達がわいわいとあーでもない

こーでもないと話し合いをしている。


「ソースなら僕が作れるよ?勿論材料があれば、だけど」

 僕がそう言うとクラス中が同意してくれた。


「マジで!?」

「すげーじゃん!」

「それならお願いしたいかも!」

「むしろ残ったら私たちも食べれる⋯⋯?」


 そんな話し合いをしていると先生が不意に声を上げた。


「あーそういえば言っていなかったが、ここで出した収益は学校に没収されないからちゃんと考えるんだぞ」

「先生もしかしてこの学校の文化祭が一年だけ出し物関係なのってそれが原因なんですか?」

クラスメイトの一人が先生にそう聞いた。


「そうだな、全部のクラスをお金を取れるものにすると全員がそうしたくなるだろう?

 公平にするためにって過去の先輩達が学校相手に頑張った結果こうなったんだ」

「だから二年と三年だけ飲食店とかオッケーになってるんですね!」

「そう言う事だ!」

「でもなんで二年と三年だけなんですかー?」


「あぁ、流石に全部のクラスがそういう出店になると、な。

 文化祭じゃなくて食文化祭になってしまうだろ?」


「「「確かに⋯⋯」」」

 先生に質問していた人達は全員揃って頷いた。


「と、言うわけで文化祭三日間でどれだけ稼ごうが自由だ。

 だけど、如何わしい事をしたり、明らかにダメな商売の仕方はやったらダメだぞ。

 まぁコスプレも露出度は控えめにしてくれると助かる。 レースクイーンは正直どうかと思うけどな⋯⋯」


「あっ多分先生が思ってるほど露出度高くないですよ」

「そうなのか?」

「一応冬用に作ったやつなんですけど、露出度が低すぎて没になったんですよ」

「作ったって自分でか?」

「そうですよ?私そういうの好きなので」

「な、なんか凄いな⋯⋯」


「知り合いに渡そうと思ったら没食らっちゃって⋯⋯材料費とか他の雑費とかは貰ってるからいいんですけど捨てるのも勿体なくて⋯⋯」

「なるほど、それで提供してくれたのか」

「そんな感じです」

 クラスメイトの女子の一人がどうやら衣装の提供者だったらしい。

 自分で服で作るのが好きって凄いなぁ。


「ちなみに学校から出される支度金は十万円になっている。

 これは皆の学費から少しずつ貯められたお金だ。

 テーブルだとか食堂のキッチンの使用費だとかは無いから材料にいくら使うかは皆次第だ。

 ただし、支度金の十万円を超える場合は自分たちでいくら負担するかを考えてやってくれ。

俺は相談には乗るがあくまで学生である皆が主役だ。

 皆の頑張りを俺は見ているからな」


「「「「「「「はい!!!!」」」」」」

 クラスの皆の声が揃った。

 やる気は十分って感じが伝わってくる。

 僕もパスタソースを作る係になりそうだから皆と一緒に頑張ろう!



 話し合いの時間も終わりその後は普通に授業をこなした。


 これからは定期的にLHRの時間が取られるようでその時間に話し合いが進められていくみたい。


 授業も終わり、家に帰ってきた僕は、今週の末に予定している記念配信の内容を考える事にした。


 いつものような配信もいいと思うんだけど、皆に感謝の気持ちを伝えられるような配信にしたいなーと僕は考えている。


 何かいい案が無いかと考えてみるけど特に思いつかない⋯⋯


 それだったら視聴者参加型の企画とかも面白いかな?


 何か複数人で出来るゲームとかをやるのもいいと思うな⋯⋯

 ピヨッターで意見を募集するのもいいかも。


 そうだ!

 一時期凄く流行ったバトロワ系ゲームを視聴者さんと一緒にやって一位の人のお願い出来る限り叶えるなんていうのもいいかも!


 そうすれば皆盛り上がるし、ピヨッターで募集かけてみるのも面白そう!


 その後僕はそのことをピヨッターに投稿してメンバーの募集をした。


 すると想像以上に参加表明があって頭を抱える事になるんだけど、それはほんのちょっとだけ先のお話。

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