57:オフコラボに備えよう!
実家へと再び帰ってきた僕はもう一日家で過ごしてから名古屋の家に帰る事にした。
「優希、そういえばふわりとオフコラボとか言ってたけど大丈夫なのか?」
「大丈夫だと思うけど⋯⋯」
突然お父さんが僕にそう聞いてきた。
大丈夫なのかって言われても特にこれがいるとか言われてないけど、大丈夫⋯⋯だよね?
「いや、オフコラボの時ってなそこそこ性能の良いノートパソコンが必要になるんだよ。
流石にカメラで自分達の姿を映す訳にはいかないだろ?特にふわりは企業勢だから自分の姿を表には出せないからな」
「あっ、そう言われるとそうかも⋯⋯」
完全に失念していた。
僕はオフコラボを初めてやったのは薫さんとが最初だったからその時のイメージが強く残っていたのもあるかも。
「うーん、帰るの明日だろ?
どうせなら車出してやるからパソコンでも見に行くか?」
「いいの?」
「どうせ俺も今日までは休みって言ってあるからな、心配する必要は無いぞ」
「お父さんありがとう!」
「そうと決まれば出かけるとするか」
「うん!」
僕は急いで外へ行く準備をしてお父さんと一緒にパソコンショップへ向かった。
お母さんは家でやる事があるらしいので家で待っているらしい。
♢
家から車を走らせる事30分ほどするとパソコンショップに到着した。
田舎なので市の中心部の方へ行かないとまともなお店が無いので結構時間がかかってしまったみたい。
「よし、久々だなここに来るの」
「僕も今使ってるパソコン買う時に名古屋にある系列店行ったくらいかなー」
「優希はここの系列で買ったのか。
ちなみにここに陳列されてる奴だとどれに近いスペックなんだ?」
お父さんにそう聞かれたので少し物を見てみると大体四十万円のスペックの物が近かった。
「これが一番近いかな?僕が買ったのは30万円くらいだったけど」
「待てこれに近いやつで30万!?それは安すぎだろ!?」
「なんかたまたま安売りしてたみたいでね、先着とか言ってたけど僕が買いに行ったのが朝一番だったから運良く手に入ったんだよね」
「そう言えばここ春先に感謝祭やってた気がするな、もしかしたらそれかもしれん」
「あー!そう言われるとそれだったかも!」
「他には何を買ったんだ?」
「モーショントラッキングのための装置とオーディオインターフェースにキャプチャーボード、あとマイクを二種類、マイクは一個安めでそこそこの性能の物とバイノーラルマイクだね、ぶっちゃけバイノーラルマイクとモーショントラッキングのやつが高かったかな」
「あー特にマイク関連はピンキリだからな、バイノーラルマイクはどれを買ったんだ?」
お父さんに聞かれたので僕はそのマイクを指差した。
「あれだね」
大体五万円ほどの有名メーカーの物を指差しながら僕はそう言った。
「オーディオ◯クニカか、メジャーなメーカーだし、安定感もある。いい選択だと思うぞ」
「良かった⋯⋯」
「まぁ基本的に問題なく使えればそれでいいんだけどな」
「そうなの?」
「俺達がまず気にするのは、耐久性、音質、使いやすさの三つだな。値段は最悪どうにでもなる」
「あーそっか、企業勢だから⋯⋯」
「そういう事、まぁ俺が家に置いてある機材の殆どは趣味だけど」
「えっ!?そうなの!?」
「勿論配信には使うからある程度会社で出してくれてるけど、割とマイナーなメーカーだったり、特殊な用途でしか使わない物とかもあるからな」
「例えばどんなの?」
「マイクならバイノーラルとコンデンサマイクが一体化したやつだな、スイッチで切り替えれる」
「使い道あるの?それ」
「ぶっちゃけあまりない、でも面白くて買ってしまった⋯⋯これに関しては完全に自腹で買ったよ」
「というかそんなのいつ出てたの?」
「つい最近だな、謎技術のおかげで実現したとか書いてあったから思わずポチった。
音質も割と良いし、コンデンサマイクもちゃんとコンデンサマイクとして使えたからまぁ悪い買い物ではなかったな。
原理は完全に謎だけど」
「メーカーの努力って凄いね⋯⋯」
「だなぁ」
「それでお父さん、ノートパソコンってどれくらいのスペックを買えばいいの?」
「最低でも3Dモデルを表示させながらカメラと連携させるあのソフトを同時起動しながら配信を行える事、この中なら十五万以上の奴だな」
「うぐっ、結構高いね⋯⋯」
「ん?これなかなかいいぞ」
そう言ってお父さんは二十万円のノートパソコンを指差した。
「オーバースペック気味だけど悪くないなこれ」
「オーバーなの?」
「あぁ、トラッキングはあくまでカメラでやるからな。そこまで重くはならないからモデル表示と配信さえ出来れば問題は無いからな」
「これは何がいいの?」
「内蔵カメラだな。」
「どれくらい凄いの?」
「最近のスマホ並みの性能の物が両面に付いてる」
「それならカメラ買わなくても良いんだね!」
「だなー」
「スペックも動かすのには良いんだよね?」
「余裕で動くレベルだな。むしろこのスペックならもう五万高くてもいいと思うけど使い道が本来のノートとかけ離れているから安くなったみたいだな」
「色々あるんだね」
「あっちも商売だからな、需要無いと分かれば値下げしてでも早く売り切りたいんだろうな」
「じゃあ決めた!これ買ってくるよ!」
「おっ!それに決めたか」
「こういうの詳しい訳じゃ無いし、お父さんを信じるよ!」
「役に立てたなら良かった。んじゃレジ行くか?」
「うん!」
交換券を持って僕はレジへ向かった。
交換券を店員さんに渡すと倉庫へ商品を取りに行ったので店員さんが戻って来るのを待つことに。
すると大体3分くらいで商品を持って店員さんが戻ってきた。
起動の確認をその場で行い、問題が無かったのでそのまま購入。
初期不良が万が一あった場合店舗に持って来るか、系列店に持ってきて欲しいと言うのは僕がパソコンを買った時と同じだった。
僕は前のパソコンと同じように保証期限の延長をしてもらい、お金を支払った。
流石に手持ちは無かったのでデビットカードで銀行の口座から引き落としたよ。
現金で持ち歩くのは危険だから仕方ないね。
「よし、買えたし一旦家に戻るか」
「そうだね!」
お父さんがそう言ったので僕達はそのままウキウキ気分で家へと帰っていった。
新しいパソコンとか買うとウキウキしちゃうのは何でなんだろう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます