24:女装しながらゆるママとオフコラボ!(前編)

『こ、こんにちは!白姫ゆかだよ!』

 ボクは緊張を必死に隠しながらいつもの挨拶をする。


:!?

:へぁ!?

:どういう事!?

:ふぁーい!?


『えっと、ボクが白姫ゆかで、こっちにいる美人なお姉さんがゆるママだよ!』


「もしかすると即売会で会ったことある人もいるかもしれないけど、私が柿崎ゆるです、よろしくお願いしますね」

 にっこりとカメラへ向かって挨拶をするゆるママ。


:どっちも美人さんだねぇ

:あらかわいい

:まさかのリアル映像でオフコラボしてくるとか想像つかんわwww

:きゃー!かわいいー!!


浮雲ふわり

¥10000

ゆかちゃんとても可愛いですよー


浮雲ふわり

¥10000

とりあえずそこ代わって下さいゆる先生。


:ヒエッ

:なんかきた...

:こわい


『うぇ!?えっとふわりお姉ちゃんスパチャありがとう!でも無理しないでいいからね?普通にコメントしてくれるだけでボクは嬉しいからね?』


浮雲ふわり:ゆかちゃんやさしい....もっと投げちゃいましょうかね...?

:ふわちゃん最初からぶっ飛んでるな

:さり気なくゆるママと交代しようとすんなw

:投げたくなる気持ちは分かるけどさw


『それとボクこういう格好するの慣れてないんだけど似合ってる、かな?』

 そう言ってボクは上目遣いでカメラを見た。


:うっ

:あっ

浮雲ふわり:げふっ

:あっあっ

:おうっ


通りすがりのお兄ちゃん

¥5000

これだけでご飯10杯食べれる


:わかるわ....

:破壊力ヤバすぎ

:というかこれで性別判断しろって言われても

:女の子一択だろ

:ほんまそれ

:それそれのそれ

:むしろこんな可愛い子が女の子の訳ないだろ!

:何言ってんだこいつ...

:えぇ....


『反応を見るに似合ってるみたいで嬉しいな♪』


:かわいい

:はいかわいい

:恥ずかしそうにしながらも笑ってるところ最高すぎる


『えっとあんまり話してると次に進めないから一旦ここで切らせてもらうね!』


:しゃーない

:おk

:これからどうするん?

:何やるの?

:わたしもそこにいきたい....


『今日はここGloryCuteさんのオフィスに来ているんだけど、ここのマネージャーさん?でいいのかな? えっと、オッケー?』

 グッとマネージャーさんが親指を立てて合図をくれた。


『オッケーなんだね!

 それでそのマネージャーさんやスタッフさんがボクに合いそうな衣装を色々選んでくれたみたいで、IVで着る衣装を作るために必要なイメージやアイデアを出すためにまずは色々着てみる事になったんだよっ!』


:はえー

:つまり俺たち死ぬんだな

:死刑宣告やんけ

:まだ死にとうない

:でも見たいんだろ?

:当たり前だろ!

:当然じゃい!

:当たり前よ!!

:当たり前だよ!!!!


『でも、これ知らされたのさっきなんだよね⋯⋯』

 遠い目をしながらボクは呟いた。


:ゆかちゃんェ...

:ゆるママとマネージャーさんGJ!

:これのおかげで今日も生きれそう

:はぁ...既にてぇてぇのにまだ来るのか...


「わかるよ皆、ゆかちゃん可愛いよね」

 そう言ってゆるママはボクを引き寄せた。


「よいしょっと」

『えっ?』

 ゆるママはソファーに座り、ボクを膝の上に乗せ頭を撫で始めた。


:は?

:は????

浮雲ふわり:許さん、許さんぞ!!!!!

:ふわちゃん!?

:ふわちゃんに宣戦布告していくスタイルゥ!

:ああああ!てぇてぇ分がオーバードライブするんじゃあああああ!!


『ふぁぁぁぁぁぁ!!??』

 あまりにも唐突な事態に変な声を上げてしまったんだけどそれは仕方ないよね。

 こんなにも美人なお姉ちゃんの膝の上に乗せられるなんて普通経験出来ないんだもん。


「なでなで、あー⋯⋯最高、一度やりたかったの⋯⋯ゆかちゃんありがとう⋯⋯」


:あっあっあっ

:なんだこの光景美術館に飾るべきでは?

浮雲ふわり:ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬ

:ふwwwわwwwちゃwwwんwww

:効いてる効いてるwww


『あうあうあうあう⋯⋯』


:ゆかちゃんもオーバーヒートしてて草

:完全に現状を理解できていない顔だ

:あぁ...てぇてぇよぉ....

:この光景を見ながら死ねるってある意味幸せだよな...

:それ...

:わたしも混ぜて...


 でも何故か嫌な気は全くしなかった。



『あう、あの、ゆるお姉ちゃん?』

「どうかしたの?ゆかちゃん」

『その、流石に恥ずかしい⋯⋯から』

「んー?聴こえないなぁ?」

『恥ずかしいから降ろしてほしいなって⋯⋯』

「あと十分、いや五分でいいから!!」


:結構強欲で草

:五分も観させられる俺たち死亡確定なんだが...

:お前ら、じゃあな。

:まて逝くな!


成仏出来たお兄ちゃん

¥3000

皆、無事を祈る。


:成仏ニキィィィ!!!!

:惜しいやつを亡くしたよ...

:いいやつだったな...


 それから本当に五分ほど、ゆるママの白姫ゆかへの頭なでなでが続いた。


:あの、ゆるママさん?

:ゆるママさーん!?

:あの、ゆかちゃんが!!!

:ゆかちゃんの目が!?


『⋯⋯』

 極度の緊張状態とゆるママの手によるなでなでの相乗作用のおかげか、白姫ゆかの目はもうとろとろに溶けていた。


「あっ、やっちゃった!?

 そのー、可愛すぎてつい⋯⋯」


:気持ちはわかるけどね!?

:ゆかちゃんなんかやばそう....

:大丈夫かな?


「ど、どうしよう」

 ゆるママが慌てていると⋯⋯


『おねーちゃん、もっと』

「えっ?」


『もっと、なでなでして』

 虚な目で白姫ゆかがゆるママにおねだりを始める。


「い、いいの?」

『うん!おねーちゃんのなでなで、きもちいいからすき』


:ああああああああああああ!!!!????

:なにこれ!!!!?????

:うわああああああああああ!!!!!!

浮雲ふわり:もうやだ⋯⋯鬱だよ⋯⋯


『ふわりおねーちゃんとはまたこんど!

 ぼくとからおけいこ!』


浮雲ふわり:うわあああやったああああ!!!

浮雲ふわり:絶対行くからね!!!!!

:ふわちゃん...よかったね....

:平和になった....のか....?


『ゆるおねーちゃん!なでなで!』

「う、うん!」

 よしよし、と白姫ゆかの頭を撫でるゆるママ。


『えへへへへ、おねーちゃんだいすきー』

「はぁう!?」


:まだ始まったばかりなのに死者多くない?

:俺も限界かもしれねぇ....

:わたしも....


「はぁはぁ⋯⋯死ぬかと思った⋯⋯」


:あんなの至近距離で喰らったらそら死ぬって...

:MAP兵器レベルじゃんこんなの...

:むしろゆるママよく耐えたと思う


「というか、どうしよう」


:ゆかちゃん戻ってこないね...

:なんていうかトリップしてる?

:妹になりきってる感じ?


「とりあえず正気に戻してみるね」

 ゆるママは白姫ゆかを正気に戻すために声をかけ始めた。

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