東と西のスイカ
その昔、その国では内戦が絶えなかった。
数十年という長い年月に渡る戦いは人々を疲弊させ、武力以外による解決が望まれた。
その方法として選ばれたのが、その国で多く育っているスイカを使った料理対決だった。スイカを使った前菜・主菜・デザートという3品のコース料理を作って、それを諸外国からの来賓客に食べてもらい、総合的に満足度の高いほうが勝利というわけだ。
東側はスイカのカプレーゼ・スイカのパスタ・スイカジュース、対する西側はスイカのブルスケッタ・スイカのポトフ・スイカのシャーベット。
どちらもシンプルながら素晴らしい料理でかなりの接戦となったが、最終的に勝利を収めたのは西側であった。
このイベントで人気を博したスイカは、勝利した西を冠して名産品として諸外国に出荷されることになる。
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なお、品種違いによって失格となった南側の果物も後に名産品として出荷されることになる。
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