数学ギョウザ
僕がそのギョウザを買ったのは部活帰りのことで、なんとなく普段と違う道で家に帰っている途中に小さなギョウザ屋さんを見つけ、運動後で小腹が減っていたので買ってみたのだ。
その効果を理解したのは、そのギョウザを平らげて数学の宿題を解いているときだった。
「あれ、簡単に解ける?」
どうやらそのギョウザを食べてから半日程度は数学力が上がることが分かり、僕は”数学ギョウザ”と名付けた。
その日の朝、僕は大量の”数学ギョウザ”を食べてから登校した。今日は数学のテストなのだ。
テスト中の僕はさぞニヤけていたことだろう。逆に周囲の連中ときたら苦しそうな表情でテストを解いている。
(これが数学ギョウザの力なんだよ!)僕はそう心で叫んでいた。
テストが終わると、僕は満面の笑みで隣の連中に話しかけた。
「おい、今回のテストどうだったよ?」
すると、連中は複雑な表情を浮かべながら答えたんだ。
「お前がニンニク臭くて集中できなかったよ」
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