第26話
幕間②『
少し前の話だ。
神無月十夜には友人と呼べるのは〝二人〟しかいなかった。
俗に言う幼馴染みと言う間柄だった三人は常に共にいた。
そう、
ある事件を切っ掛けにその絆は粉々に打ち砕かれたのだ。
簡潔に言うと、友人二人はある事件に巻き込まれる事になる。
十夜が言うのも何だが、友人二人はかなり外見や中身がかなり良い。
二人が並んで歩いていればナンパはもちろんの事、芸能事務所からも声が掛かる事もしばしばだった。
その分厄介事も多く、あまり宜しくない人に絡まれたりと面倒事が多かった。
その時の露払いとして喧嘩の強かった十夜が前に出る、と言うのが日常だった。
賑やかで騒がしい日々を悪くないと思いつつも何気なく過ごしていた十夜達。
しかし、
それは突如終わりを迎えた。
友人二人はある不良グループに拐われたのだ。
監禁された場所は廃墟で巷では心霊スポットとも呼ばれていた。
助けに行かないと言う選択肢は最初から無く、
十夜が駆けつけた時、何故か十夜にはそこからの記憶はなくなっており、残されたのは自身に取り憑いた何かだけだった。
気が付けば近くの病院のベッドの上で入院していた十夜は再びその場所へ赴くも友人二人の姿は何処にもなく、
一人は心神喪失状態で同じように病院へ、そしてもう一人に関してはまるで神隠しに遭ったように忽然と姿を消したのだ。
自身に取り憑いた〝何か〟の正体は未だに掴めず、更には入院していた友人は気が狂った挙句に
十夜は、霊障として襲い掛かる
神社仏閣にお祓いを頼むもどうにも出来ず、ただ謎の空腹感に襲われていた時に怪しい人物と出会った。
―――――よぉボウズ。お前また凄いモンに憑かれてるな。
それが、
十夜に神無流という武術を教えた師匠との出会いだった。
後に、神無月十夜は神無流の極意である『鬼神楽』を受け継ぎ、唯一の友人を探す事になった。
自分の、そして大切な友人達の人生を、全てを奪い去ったモノをこの手で嬲り殺しにするまでは例え外道と罵られようがこの歩みを止めるつもりは無かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます