第4話 ミーハー野郎と豆腐の俺①

(えっと、AP:PD=s:(1-s)とするから……)

休み時間、俺はワークを解いていた。

え? 真面目すぎないかって?

自分で言うのはあれだが、俺はまあまあ勉強は出来る方なんだ。(学年10位以内には入るくらいには)

でも勉強が好き! という訳ではない。

ただ友達があまりいなく休み時間中、時間を持て余して勉強をしていたらこうなってしまった。

なんと悲しい話だろうか。



「__おい、おーい? 生きてるか?」

その声と同時に視界いっぱいに佐野の手が映った。

「しっかり生きてるわ。勝手に殺すなよ」

すると何故か佐野が焦りだした。

「っ大変だ。心臓が止まっている! 誰がAEDを」

「無駄な名演技やめろ」

やれやれと俺は盛大なため息をついた。

てへっ☆ と星でも飛んでいきそうなウインクをしてきたが、まったくもって可愛くないし控えめに言ってきもいぞ。うん。



「で、どうかしたのか?」

と俺が尋ねると、水瀬さんの最新情報が手に入ったと自信満々に言った。

特に気にもならないが聞いてやろう。

「水瀬さんって容姿端麗だろ? けどそれだけじゃなくて、なんと……勉強も出来るらしいんだよ!」

「誰情報だよそれ」

水瀬さんのファンクラブからだと佐野は言った。

ファンクラブまであるとかすげぇな。ん? まてよ?

「まさかとは思うけど、お前も入ってるのか?」

「まさかぁ、この俺が入らないわけないだろ?」

ああ、忘れてた。こいつミーハーだったわ。

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