第3話 水瀬さんの謎

席替えをしてから一週間が経った。

そしてこの一週間で気づいたことが幾つかある。



1つは超絶美人だということ。

(周りからしてみれば今更なのだが)

佐野に散々言われたので授業中にチラッと見てみると、それはそれはとても美しかった。

顔が整っているのはもちろん、纏っているオーラが他とは違う気がする。

立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花 という言葉があるが、まさにそんな感じだ。



2つ目は友達がすごく少ないということ。

水瀬さんが休み時間人と話しているところは殆ど見たことがない。

もしや虐められているんじゃ⁉ とも思ったがむしろ逆で、天使すぎて話しかけられない、あのご尊顔を眺められるだけで満足だという声ばかりだった。

(みんな口を揃えて同じようなことを言うので恐怖すら感じた。)



最後に3つ目。

それは、水瀬さんはという事だ。

俺が本を読んでいる時も、勉強をしている時も、新しく出来た友達である、前の席の前野と白熱するトーク(ただのアニメの感想)をしている時も……チラチラとこちらを見ている気がしてならない。

普段であれば声をかけることも(異性以外は)出来るが、なにせ相手は水瀬さん。

陰キャをぶっかましている俺にとっては、あまりにもハードルが高すぎる。という訳でずっと気付いていないフリをしている。が、心臓は常にバクバクだ。

俺、何かやらかした……?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る