はい、寂しがり屋さんです
「ふぅ………ここまで来れば見つからないでしょう」
「はぁ……はぁ……ここまでって………ここ俺んちじゃねーか!」
途中からおかしいなって思ったんだよ!なんか見覚えあるなぁ、って思ってたら着いたの俺んちなんだもん!
「植付くん、私、気づいたの」
「なにに?」
「私、植付くんといれればとりあえずどこでもいいって事に」
「ぐふぉう!」
なんか急に可愛い事言い出しやがった!
ちくしょう!顔が可愛いから余計にダメージ喰らったわ!
「じゃあ……いいよね?もう我慢しなくていいよね?!」
え?
「さっきから体がうずいて仕方がないの!ね?!ね?!もうゴールインしよ?!」
「ちょ、ちょっと待て!え?!なに、お前その為に俺んちに走って来たの?!」
さっきときめいた俺の気持ち返せや!
「当たり前じゃない!むしろそれ以外頭になかったわ!」
最低だ!こいつも表に出さないだけで内心発情してやがった!
「ま、待て!こういうのはまだ早いと思うんだが……!」
ここで食われたら終わる!物理的に人生終わらせられる!海月達に殺される!
「ねぇ…………なんで?私の事嫌いなの?そんなわけないよねそうよね植付くんずっと隣にいてくれるもんね今までずっと隣にいたんだからこれからもずっと隣にいてくれるよねそうだよね私から植付くんが離れていくなんて事ありえないよねそんな事あったら私…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………なにするか分からないからね?」
……………なんだろう、今の佳南からは恐怖を感じない……それどころか……
「佳南…………怖いのか?」
ビクッ
「……………そんな事、無いよ」
「いや、今の佳南からはなんか怖がってる雰囲気を感じる。なにが怖いんだ?言ってくれないと分からないぞ?」
「…………………絶対に引かない?」
「お、おう」
一体何を言われるんだ……?
「あのね?私、本当は植付くんから1秒たりとも離れたくないの、24時間365日ずっと傍にいたいの。どこに行ってもなにをしてても植付くんが一緒にいないとなにも手につかないの、家ではギリギリ耐えられるけど少しでも植付くんが不足すると気が狂いそうなの、植付くんの事しか考えられないの、大好きなの、好きで好きで仕方ないの………ねぇ、私を選んで?」
「佳南………」
本当に……こいつは
「佳南」
「引いたでしょ?そうだよねこんな事いきなり言われても怖いよねごめんね植付くんがもし離れていくと思うともう生きていられる自信が無くて……!」
ギュッ
「え?」
「佳南、大丈夫、大丈夫だよ」
ったく……いつまで経っても寂しがり屋なんだからよ
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