はい、恋する乙女達の作戦会議です③

「彼は中学時代、虐めを受けていたらしいわ。……………私達のせいで」


「「「は?」」」


「ほら、中学時代、私達ずっと植付くんにくっついていたじゃない?それが気に食わなかった一部の男子に虐められてたらしいのよ」


「っ………そんな……」


「いや………いや………」


「じ、じゃあ!私は別にお兄ちゃんに迷惑をかけてた訳じゃないんですね?!」


「…………………いいえ、貴方にも原因はあるわ」


「な、なんでですか?!私はその時小学生ですし貴方達のの事なんて知りませんよ?!」


 そうね……は、ね


「貴方、時々校門前で植付くんの事待っていたでしょう?」


「それがなに?!」


 まだ分からないのかしら………それとも現実を見たくないだけ?


「学校の人に見られるとは思わなかったの?」


「あ………………嫌………」


 やっと現実を見たわね


「私は……ただ植付くんと一緒にいたかっただけなのに………それすら植付くんに迷惑をかけるの………?」


「あはは………そんな訳………無いよ。私のせいで先輩が虐められるなんて………そんなの……」


「嫌……嫌……嫌わないでお兄ちゃん……お兄ちゃんがいないと、私………」


 みんなだいぶ取り乱してるわね……私もこんな風になってたらしいけど……


『嫌!もう嫌!植付くんが傷つく理由が私だなんて!植付くんを傷つける私なんて生きてる価値ないわ!』


『おやめ下さい!お嬢様!』


『離して!離してよ!死なせてよぉ!』


 ……………今思えば、死ねばそこまでだったのにね


「……………それで?貴方達はそうやって泣き寝入りしてるだけ?植付くんを傷つけたまま、彼のそばにいるわけ?」


「っ………!てめぇもその原因の1人だろうが!何知らん顔してんだ!あぁ?!」


 あぁ、海月さんの言ってる事は正しい。


「そうよ!私だってその時は死のうと思ったわ!でも……!」


「でもなに?!」


「………………私達の誰かが1人でも死んだら、彼はとんでもなく悲しむわ。彼、優しいもの」


「「「っ!」」」


 今日あの表情を見て確信したわ

 植付くんはまだ、過去を引きずっている。私達の好意を受け入れてくれないのも、それが原因でもあるだろう


「彼はまだ、過去に囚われたままだわ。そんな植付くんといて、貴方達は本当に幸せだと言えるの?彼から本当の笑顔を奪ったまま、彼のそばにいるつもり?」


「………………そんなの、嫌だ。植付くんには心から笑っていて欲しい」


「そうよね?」


「私も……嫌です。私は、先輩には幸せになって欲しい」


「そうでしょ?」


「お兄ちゃんは私の光です、光が陰ることなんて、あっちゃダメなんです」


「ええ、そうね。だから」


 みんなの目に力が戻ったわね、よし


「主犯格を捕まえて、ぶちのめすわよ」




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