はい、いつもの風景です

「はぁ……」


 あの後は大変だった……ブチ切れた魅空をなだめ……いつでもどこでも佳南は引っ付いてくるし……それを見た魅空がまたブチ切れるし……しまいには2人で……


「お兄ちゃん……」

「植付くん……」


「「一緒に、寝よ?」」


 ……………耐えに耐えた俺の鋼の理性を褒めて欲しい、睡眠?出来るわけねぇだろ!なんで最後は喧嘩しないで2人で迫ってきたのかは分かんないけど……

 あんな可愛い女の子2人に引っ付かれて心身共に反応しない男がいるか?もし反応しない奴がいたらそいつはあっち側の世界の人間だ


「そしてまたこれだよ……」


「いつまで?お兄ちゃんにくっついてんの?お兄ちゃんがキモイから早く離れてって言ってたよ?」


「そうなの?植付くん私には魅空ちゃんの方がうっとおしいから離れてって言ってたよね?」


「いや、2人とも離れてほし……」


「あ?」

「は?」


「いえ、なんでもないです」


 俺の安息の地はどこだ……!


「おーい!せんぱーい!」


「げっ!」


 そしてまた悩みの種が増えた……!


「また、げっ!って言いましたね?酷いです……私でも傷つく時だってあるんですよ?」


「わ、悪い……」


「じゃあ先輩、お詫びに抱きついて良いですか?」


「え、うん。そのくらいなら……」


「あ?ふざけんなよ?お兄ちゃんにくっついていいのは妹の私だけだっつーの」


「は?何言ってんの?植付くんにくっついていいのは1番長い時間一緒にいる私だけだよ?害虫共は早くどけよ、殺虫剤まいてやろうか?」


「いや、先輩が許可出してんのになんだお前達の許可が必要なの?あ、ごめんなさーい!しっぽ振るだけの発情期の雌犬達には言語は理解できませんね」


「あ?」

「は?」

「お?」


 胃が…痛い!


「植付くーん!」


 あ!この声は


「委員長!ちょうどいいとこに!」


「え?なにこれ?どういう状況?」


 それは俺もわからん!


「と、とりあえず助けるね!」


 ああ、なにも言ってないのに察してくれる委員長……


「嫁に欲しい……」


「きゃふぅぅぅん!」


 うおっ!なんだ?!


「委員長どうした?!」


 なにかあったのか?!


「はぁ、はぁ、いや、大丈夫……(もうヤバい、濡れる)」


「な、ならいいけど」


 たまに委員長って変な声出すんだよなぁ


「植付くん」

「お兄ちゃん」

「先輩」


 あ、やべ、この人達がいる事忘れてた!


「「「さっきの言葉、どういう事かな?(ですか?)」」」


 ああ、今日も、平穏が遠のいていく…








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