歩くだけでレベルが上昇する超効率的最強スキルを手に入れたので、まったり異世界を楽しんで探訪しながら強くなります。

ふきゅい。

靴の材料集め編

Lv1 転生理由は”不健康”!?



 ――僕は突如、……そしてすぐにここが”異世界”だときづいた。


 理由は2つある。



 まず一つ目。それは異世界っぽい空気感である……この世界の空気感は明らかに普通の空気感とは異なる異様な感じなのだ。



 そして二つ目。すぐそばの地面に刺さっている「ここ異世界やねん」という謎の関西色が強い雑な看板があるからだ。この看板が明らかにこの世界が異世界であることを紐付けている……


 異世界転生する理由といえば大体交通事故や、強い衝撃などがよくあるだろう……だが僕はそんなこと一つも心当たりがない。では僕の転生した理由は何なのだろう……


 僕は目を閉じて理由を思い出そうと努力した(この方法が合っているのかどうかは分からない)……



「不健康………?」



 僕の脳裏に浮かび上がったのは”不健康”の一言だった。


「いや、不健康ぅぅぅううッッッッ!!?」


 不健康で異世界転生。こんなことがかつてあっただろうか……確かに思い当たる節はたくさんある。運動はせず、食事はインスタントラーメン。働かずに親の仕送りで過ごす日々……不健康なのは至極当然の結果である。


「でも……それにしても、不健康て……は?」


 僕は、ひとまず立ち上がりその場から歩き出す……


「……ん?こんなかんじだったっけ……?」


 歩く感覚がとても新鮮なのである。転生前の怠惰な生活では、手の届く範囲で一日が終わるので外にでる機会がなく、地面を歩く感触が体から消去されているのである。


「おぉ……歩くのってこんなんだったのか……楽しいなぁ、なんか力がみなぎるというか……なんか強くなってるというか、なんかレベルが上がってるというか……」


『『テレテレテレーン』』


「やっぱ、レベル上がってねッッッ!!??」


 僕は目を閉じ、レベル確認の表示をしようと努力した……(無論、この方法があっているかどうかは分からない)


  Lv2


 あれ……レベル上がってね?僕、歩いただけだけどな……あれ? これガチか? もしかして歩くだけでレベル上がるやつなん、それはヤバない? こんなスキル普通あんのかな。めっちゃいいやん……


「もしかして……これは神様が僕に与えてくださった、怠惰な生活をするのではなく運動をすること大事さを知らしめる第二の人生……ということなのだろうか? もしそうなら……とことん歩いて、とことんレベル上げることが僕に託された神様からの試練ッッ!」




 こうして、僕の歩くだけでレベルが上がる異世界転生が幕を開けた……

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