かかりつけ医とワタシ
今のかかりつけ医との出会いは、1年ほど前だ。
それまでは、近所の内科に行くか市販薬で済ませるようなことをしていた。
身体が弱いと言いながらも若さと気力に頼りきって、痛みさえ抑えていればなんとかなると、長年、身体に鞭を打っていたわけだ。
40代に入ってから、不正出血と酷い不安感に襲われるようになり、数年ぶりの健康診断を受けた。その際、今のかかりつけ医と出会った。
はじめは、健康診断から逃げていたこともあり、後ろめたさがあったために、とても厳しい先生に感じた。
だけど、この人を信じられると思ったのは、脈を診たいからと手を持たれた次の台詞だった。
「浮腫んでいるね。辛くない?」
たったそれだけのことで、涙が出るかと思った。
ワタシの見た目は中肉中背になる。着やせをするので、実際はお腹や背中の贅肉、あちこちの弛みが気になる体型なのだが……そんな中でも唯一、私自身が見ても細いと思うのが肘から下、特に指先だ。
細く浮腫と無縁に見える指だが、それでも浮腫みを感じる時がある。
そんな時に手を握ると痛いし、結婚指輪の跡がくっきり残るくらいに食い込むこともたる。なお、浮腫んでいない時の指輪は落ちない程度に緩い。
かかりつけ医に脈を診られたときは、まさに浮腫んでいたのだ。
他の病院では、いくら浮腫が気になると言っても、浮腫みなんてないと言われてばかりだった。気にしすぎだとか、誰でも少しは浮腫むことがあると言われ、そういうものだと諦めるしかなかった。
だけど、違った。
辛いという気持ちを、訴える前から察してもらえた。これはかなりの衝撃だった。
その時から、砂糖はダメだと言われ、なるべく我慢をする日々を過ごしてきた訳だが……
気持ちが負けて1週間に1回、食べてしまうことを、ワタシは今月になって認めた。
それまでは「我慢してます」と言って誤魔化していたのだが、実際は、我慢しきれないでいた。
「日埜和さんは胃腸も弱いし、もう少し我慢してみようか」
困った顔で念を押された。
責めるようなことはしない先生だが、砂糖に関しては譲ってはくれない。
カップのヨーグルトすらNGなくらいだ。
まぁ、他の先生によっては果物すらダメだという人もいるらしく、さすがにそこまですることはないと笑っていたけどね。
人によっては、甘いものを我慢するくらいなら、冷え性でもいいと思うだろう。十年前のワタシも、そうだったと思う。
だがアラフォーを境に、若い頃にあった身体に対する根拠のない自信はなくなった。
だから、サボっていた健康診断も再開したし、不正出血や不安感も誰にでもあることとして片付けなかった。
頭痛も悪化していたから、更年期障害や、それ以外の何か悪い病気じゃないかと疑ったりもしたくらいだ。
娘たちは、まだ学生だ。まだワタシが倒れるわけにはいかない。
だから、砂糖を我慢することが身体のケアに繋がるのなら、まず5年くらいは、かかりつけ医に相談しつつ頑張ろうかと思っている。
それに、かかりつけ医の先生ご自身も砂糖を断って、カフェインを断つ努力をされているらしい。
患者に薦めるのに、自分で身をもって理解しようと言うことではなく、どうやら先生も頭痛や冷え性が酷かったらしい。
また砂糖の話になってしまうが、先生はずいぶん長いことケーキ類を断っているらしい。だが、友人と出掛けた先では付き合いで食べることもあると話してくれた。
つまり、断つと言っても何がなんでも食べるなということではない。(ただ、今のワタシはちょっと本気で食べない期間を設けた方がよいという状態)
長年、砂糖を断つ努力を続ける先生ですら、状況によっては食べることがあると、認めてくれている。
他にも色々と話し、この先生なら分かってくれる。
そう思えた。
だから砂糖を我慢すると決めて、健康を目指そうと今日も砂糖を我慢……
スコーンを食べました(土下座)
2週間我慢できたから、少しは、進歩だと思うの!
また明日から、頑張ります!
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