メンタル豆腐なワタシの語り草

日埜和なこ

風呂とワタシ

書き始めから風呂かよ!

と、突っ込みはなしでお願いしたい。

そして、ここはワタシの他愛もない今日と過去の話を書くところなので、今、これを書いている状況をお察しいただきたい。




幼少の頃、風呂が大っ嫌いだった。

当時、我が家の風呂場は無駄に天井の高くて寒く、今と違いタイル張りの床は冷たかった。さらに風呂に保温機能なんてない時代!

夏は窓を開けて入ると風が気持ちいいのでまだ良かった。


問題は冬だ。


ワタシの両親は熱い風呂が好きで、一足つけるだけで真っ赤になるような温度の風呂をためていたのだ。

それに真っ先に入れと言うんだよ。ちょっとした拷問だよね。親たちが入る頃には温度も下がるから「どこが熱いんだ」と言われるし。真っ赤になったのを見せれば──


「水を出して温めろ!」


と言われる。だから温くすれば、後から入る親に温すぎると怒られる。そりゃそうだ。すぐ入るわけじゃないし保温も出来ないのだから、冷めるよな。

熱いのが嫌ですぐ上がれば、北関東の底冷えのする町だったので、すぐに体が冷えて──


「どうして温まってこない!」


と、やっぱり怒られる。理不尽としか言い様がない。

さらに築年数の経っていた家のシャワーはちょろちょろとしか出ないので、髪を洗うのも一苦労。

風呂が嫌いになって当然だと思う。


独り暮らしをしていた頃は、シャワーグッズだ入浴剤だと楽しんでいたので、あの頃は一番、風呂を楽しんでいたかもしれない。


では、今どうか。

結論から言うと、それほど好きじゃない。


今はちゃんと保温機能もあり、足も伸ばせて長風呂だって出来る。(ここまで書いて、のぼせるくらいには長湯だ。なので続きは上がってから書こう)

長湯しても浴室は冷えないし、シャワーだってすぐお湯になるしちょろちょろじゃない。なんなら勢いは強いくらいだ。欠点は脱衣所が狭いことくらいか。


まぁ、環境は一般的だと思うが、昔のようなタイル張りじゃないから、冬場でもそれほど冷たくもないし掃除も楽。

不満ではないが、ワガママを言うなら、浴室乾燥機をつければ良かったと思っているが……贅沢を言ったらきりがない。


じゃあ、なぜ、それほど好きじゃないか。

周囲にはあまり理解されないのだが……耳鳴りが酷いからリラックスが出来ないことが大きい。


もう何年になるかな。この耳鳴り。20年くらいか?


常に高い音が響いていて、虫が鳴いているような感じだ。今も、外で鳴いてるのか耳鳴りなのか分からないような状態。

風呂場は特に気になる。疲れている時はさらにだから、疲れをとるはずの風呂がメンタルをごりごり削ってきて、苦手なのだ。


そんなワタシに、出会って1年の漢方医の先生が「お風呂にスマホを持ち込んだら?」と、ジップロックに入れれば大丈夫と教えてくれた!


目から鱗だったね。

浴室用の音源がほしいなとは思っていたけど、まさか、スマホをジップロックに入れるとは。ちゃんと操作できるもんなんだね。


そんなこんなで、風呂場でもスマホで音楽かけたりゲームしたり、小説読んだりして温まることはできるようになった。


うん漢方医の先生には感謝がつきない。

この先生とは、もう少し早く出会いたかったところだが……おかげでワタシは風呂の温かさを思い出し、少しだけど、好きに近づいたのだった。

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