磊落

タムラ ユウイチロウ

“磊落”

巨大な銃のがなるのを

高揚

のち

脱力

壁のすみで片足立ち

点々と落ちる黒を

呆然と眺めて


フワッとホコリのように舞って

破裂音が遠くからやってきて

ポロポロとこぼれて

くるしくなって

とうとうと流れるさまを

赤くして言った


誰も彼も

涙も流さずに

たんたんと

炸裂する肉体を崩して消えていった


遠く近く誓いのように

花が咲乱れるように

咲乱れるように

ピンク色のピンク色の

あの美味しそうな


黒ずんでいくのも

どうしようもなくて

泣いてばかりいた

妹のことを

おもちゃを取上げて

そんなことで

そんな子どもで


そんな子どものようなことで

赤く、黒く、ピンク色のなにかに

変わっていってしまうこと

忘れていた


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磊落 タムラ ユウイチロウ @you_monodiary

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