先輩。私と付き合いたいなら私の77の秘密を解いて下さいね♪

アキノリ@pokkey11.1

第1章 77の迷路

乃木坂和奈の秘密

第1話 77の私の秘密

桜もとうの昔に散っての5月の終わり辺り。

俺は後輩の女の子に3回目の告白をした。

しかしそれでも付き合えない。


何故なら後輩は『無理です』『御免なさい』『あはは』と言って付き合ってくれないのだ。

その為に俺は諦めて普段の日常を過ごし始めた。

そして何時も通り教室に居ると。

机の中に何か入っているのに気が付いた。


「?」


鳩羽ミルコ、17歳。

黒髪の短髪に顔立ちも青年顔だがそんなにモテ顔じゃない。

身長も成績もそこそこだ。


だがそんな俺だが.....モテ期か?

ラブレターを貰った様だ。

その何かは手紙だったから、だ。

俺は慌てながら周りを見渡してから開けてみる。

そこにはこう書かれていた。


(先輩。私と付き合いたいなら77の私の秘密を解いて下さいね♪)


「.....へ?.....乃木坂じゃないか」


告白して玉砕した女の子。

3回玉砕の女性の手紙。

乃木坂和奈(のぎさかかずな)のラブレターの様だった。

何でコイツがラブレターなんか。


俺が3回も告白して駄目だったのに。

思いながら俺は?を浮かべて考える.....っていうか。

いやその、77の秘密って何だ。

俺は?を浮かべながら見ていると。

ミルコ、と声がした。


「.....よお。瑛太」


「.....おう。.....どうしたんだ?そんな浮かれた顔をして」


「.....何でもないさ。.....すまんな」


俺は苦笑いでソイツを見る。

同じ17歳の戸塚瑛太(とつかえいた)。

黒縁メガネに笑みの絶えない黒の短髪の俺の親友、というか.....腐れ縁の友人。

俺はその瑛太に隠す様にしながら.....手紙を仕舞う。

すると瑛太は眼鏡を掛け直して目の前の机に腰掛けた。


「んで?また振られたんだろ?1年の乃木坂に」


「.....そうだな。.....まあ告白3回目かな.....準備をしてもしてもしても駄目だ」


「.....勝ち目無いって。絶対に。.....野球部のイケメンとか破滅させたぞ。それも10回ご破産になったっていう噂もあるぜ。これもイケメンがよ?.....無理だって。鉄壁だあれは。砕けねえ」


「おー.....そうなのか。やたらに詳しいなお前」


「.....情報屋が居るからな愛しい彼女の」


「殺すぞお前」


そういえばコイツ.....確か告白して成功していたよな。

同じクラスメイトの可愛い.....確か須藤という女子に、だ。

俺は額に手を添えながら.....盛大に溜息を吐く。

コイツは1回で成功して何で俺は3回も破滅したのか.....。

隕石でも降ってこねぇかな.....コイツらの所に。


「でもまあおめでとうな。.....お前ら」


「.....おう。まあ有難うな。お前も早く幸せになれば良いじゃないか。乃木坂の事なんかを忘れてさ。新しい女の子探そうぜ」


「.....まあそうなんだけどな.....」


でも気になるんだよな。

3回振っている癖に。

しかもイケメンの告白も破滅させた乃木坂なのに。


その乃木坂が何で最後に俺に手紙を寄越したのだろうか。

俺に対してだけ、だ。

他の奴らはそんなの貰ってないみたいだし。


白の封筒で.....しかも可愛らしいウサギの便箋で、だ。

意味が分からない。

しかも77の謎.....?

どうなっているのだ.....?

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