神様と彼女の場所取り戦争 2

 一人の女の子がイチョウの木にやって来ました。


 どうやら、ここを隠れ場所に選んだようです。


「もういーかーい?」


「もういーよー!」


「もういーよー!」


「もういーよー!」


 神様はずるずる音を立てながら不機嫌にコーヒーをすすります。


「もう! なんでわざわざここに来る訳? わたしの静寂と風情が台無しよ!!」


 一応体裁ていさいの為に断っておきますが、神様は決して子供が嫌いな訳ではありません。


 嗜みを邪魔されたことが許せないだけなのです。

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