あのホームレスに七億を…… 7

 おじさんが宝くじで大金たいきんを手にそしてからしばらくの間――。


 彼はヒイラギと一緒に分かりやすく調子に乗り始めました。


 高級スーツや腕時計をまとってじゃんじゃんお金というお金をばらまきまくって……まさに成金とは彼のことを言うのでしょう。


 一方のヒイラギはおじさんに買ってもらった真っ赤なドレスに女優帽、ドデカサングラスとおまけにダイヤの指輪をこれでもかと身に着けて……


 そのお値段、なんと総額……壱億八千万円だそうです。


「おじさん、ヒイラギねー、そろそろ銀座にブティック出したいなあ……」


「いいよいいよ、出しちゃないよお店! おじさんヒイラギちゃんに何でも買ってあげちゃう」


「やったー、おじさん大好き!」


「おじさんもぉ、ヒイラギちゃんのこと大好きー!」


 そんな二人の動向を見守る神様。


「こいつら本当に分かりやすいな」


 だいぶあきれ気味です。


 でも、そんな成金生活はとうとう終わりを告げます。


 それは突然の事でした。ある日おじさんは悪い人に襲われ意識不明の重症を負ってしまったのです――。

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