あのホームレスに七億を…… 2

 ヒイラギは頬を膨らませながら神様に文句を言います。


「ええー! じゃあ姉様はあやかりたくないの? 七億yen」


「そりゃあ、まあ……あやかりたいかあやかりたくないかで言えばあやかりたいけど……っていうかあなたのyenって言い方なんかムカつく」


「ほら、姉様だってあやかりたいんじゃないですか。という訳でヒイラギに任せて下さい! 必ずあのおじさんに七億を掴ませてみせます! そしてゆくゆくはヒイラギも億万長者。ああ~考えただけでよだれが……」


「ヒイラギちゃん……さっきから目がずっと¥マークになってるからね」




 ホームレスの男性に近づくヒイラギ。


「おじさん、ここで何やってる人ですか?」


「…………」


「返事がない。まるでしかばねのようです」


「ベタなことやってないでさっさとオーラをオフにしたら?」


 神という存在は人から認知されないようになっています。なので普段まとっているオーラのようなものをオフにする必要があるのです。


「は! そうでした!」


 ヒイラギはオーラをオフにします。


「うわああああああああ!! な、なんだお前!?」


 腰を抜かすホームレスのおじさん。


 無理もありません。彼からしたら目の前に突如として少女が出現したのですから――。

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