天真爛漫な妹神 6

 ヒイラギの力によって集められた人々は、やがて本来の意識を取り戻し始めます。


「は! 俺は一体なぜこんな所に……」


「一体どこなのここは!?」


「どけ! 邪魔だ!」


 境内で密集した人々は次第に暴動を起こし始めます。


 その光景を見たヒイラギは動揺します。


「え、ちょ、ちょっと……みんなどうしゃったんですか? これからオーディションなんですよ! ちゃんと並んでくださいー!!」


 一方、神様は……


「嗚呼、みんな! 私の為に争わないで! ……って言ってる場合か!!」


「おおー!!」


 神様のノリツッコミに拍手で感心するヒイラギ。


「感心してる場合じゃないから! 早く人心掌握の力で沈めなさいよ!!」


「それが……さっきからやってるんですけど上手くいかなくって……」


「どういうこと!?」


「こうガヤガヤうるさいと上手く集中できないっていうか……」


 そう、このヒイラギという妹神……割とポンコツなのです。


「ええー!? どうすんのよこの状況! 収拾つかないじゃないのよー!!」


 ヒイラギは少し考えると、ハッと手を叩きます。


「分かりました! こういう時は偉大な先人が残した良い方法があります」


「良い方法?」


「そうです! 爆発オチにしましょう!!」


「ちょ、ちょっと待っ――」


「ヒイラギパワー発動!!」


 BOOOOOOOOOOOM!!!!!!


 神社は跡形もなく吹っ飛びました。

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