番外編 ~暴走族のヘッドだった俺が異世界じゃないけど転生したらドローンになっていて神を名乗る幼い子供のパシリだけど実はまんざらでもない~

 どうやら俺は死んでしまったらしい。


 感覚で分かる。


 生前の記憶を思い出してみる……。


 たしか俺はバイクと喧嘩好きの高校2年生だ。


 その日も俺は多くの舎弟を連れて街中を突っ走っていた。


 そんな俺の目の前に一匹の子猫が飛び出してきた。


 そう、俺の記憶はここで終わっている。


 俺は一体どうなってしまうのだろうか。一体どこへ行こうとしているのか……。


「――ちゃん、――ん」


 ん? なにか声が聞こえる。


「――ンちゃん、はっしん!」


 俺の意識は自然と声の方へ引っ張られていく――。


 急に俺の視界がパアっと開けた。


「ドローンちゃん、発進!!」


 突然、俺の身体が宙に浮いていく。


 「――ッ!?」


 なんだ!? 何がどうなって……。


 そのままぐんぐん上昇していく――。


 勢いよく上昇して、上昇して、上昇して――。


 そして俺の身体は……天井に激突した。


 (ぐわあああ!!)


 そして落下し、今度は床に叩きつけられた。


 (がはああああ!!)


「あれえ? おかしいなあ……この子、絶対壊れてる!」


 幼い子供がリモコンのレバーをカチャカチャしては首をかしげている。


 俺は空中で蛇行し、壁に激突し、床に叩きつけられる。


 そしてふと、俺の視界に窓ガラスが入った。


 そこに映っていたのは…………ドローンだった。


 (な……なんじゃこりゃー!!!!)


 そう、俺の身体はドローンになっていたのだ。



 to be continued……

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