神様が見える女の子 エピローグ

 あれからしばらくの月日が経ちました。


 神社は静まり返っています。


 神様の姿がどこにもありません。


 神様ー。神様どこですかー?


「うるさい! わたしはここよ」


 どこですか?


「ここよ、ここ! 不本意だけど少しだけ下を見なさい!」


 は! いつもの幼い女の子。


 ちょっとそこのお嬢ちゃん、神様を見てない?


「うるさい! わたしが神だ! しょうがないじゃない。ちょっと力を使い過ぎちゃったんだから!」


 それはそうと参拝客が来たようです。


 あの時の女の子でした。


 今度は両親とそれから生まれたばかりの弟も一緒のようです。


 因みに女の子の父親は長期出張で単身赴任が決まっていました。しかしどういう訳かその出張が1週間で終わったらしく、とんぼ返りをしてきたのです。


 ずいぶんと楽しそうにはしゃぐ女の子に神様は問いかけます。


「どう? あれからお母さんとは仲良くやってる?」


 女の子は見向きもしません。どうやらようです。


 やがて帰っていく家族の後ろ姿に向かって神様は微笑みます。


「そっか……良かったね」


 どうやらこの神様、とっても負けず嫌いで素直じゃないようです。




 神様はとっても負けず嫌い 完。

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