神様が見える女の子 4
カラスの鳴き声が聞こえました。
女の子はずっと座ったまま
しびれを切らした神様が女の子に話しかけました。
「おーい、もう夕方だぞー。帰んなくていいのかー?」
「いいもん」
女の子はつぶやきます。
「あのなあ……」
神様が次に何を言えば良いのか言葉を探していると女の子が口を開きました。
「ねえ、お母さんはわたしのことが嫌いなのかなあ……」
「さっきのあれ、お母さんに言われたの?」
「うん」
「そっか……でもそれって本心じゃないと思うよ」
「なんで?」
「だってほら」
神様は鳥居の方を指差します。
すると群がっていたカラスがバサバサっと飛んでいき、一人の女性が現れました。
「さき!!」
そう呼ばれた女の子は女性の顔を見ます。そしてボロボロと涙を流します。
「う゛えーん!! お゛があ゛ざーん!!!」
「ごめんね。お母さん、さっき怒鳴っちゃったよね。本当はそんなこと思ってないんだよ。ごめんね。ごめんね」
母親は女の子を強く抱きしめ何度も謝りながら大泣きします。
母親の腕の中で女の子もずっと泣き続けるのでした。
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