神様と罰当たりな暴走族 エピローグ

 最後に教師の男は懐かしそうに言います。


「そういえば俺も昔はやんちゃしてたんですよ。だからあいつらの事、なんか放っておけなくて……。では失礼します」


 教師の男はご神体に背を向けると、颯爽と歩き始めました。


 その後ろ姿をじっと見つめる神様。


「うーん、この男どっかで……。あ! こいつ昔ここでローリング走行してた暴走族の総長だ! あの時だってわたしは不眠症に悩まされて――。なんか思い出したら無性に腹が立ってきた」


 神様は男の後頭部に向かって小石をぶつけます。


「痛っ!!」


 男は思わず振り返ります。でも当然神様の姿は見えません。


 そして首をかしげながら帰っていきます。


「ふふ、これでチャラにしてあげる」


 神様は悪戯っぽく笑うのでした。

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