虚翼の鳥

俺氏の友氏は蘇我氏のたかしのお菓子好き

虚翼の鳥

比翼の鳥


その鳥は片方の翼しか持たない。


だから二羽で寄り添って行きていくしか無い。


人々はその鳥を見て可哀想と、大変だねと言うが、それは人間も同じではないのだろうか。


我々は一人では行きていけない。


生きていれば腹が空くが、それを満たすには誰かの作った植物を口にするしか無い。

家に住むのだって、自分で作ることは出来ないし、何かを買えばそれを作った人がその先にいる。


このように我々は常に誰かに支えられ、そして誰かを支えている。


それに、人は孤独を嫌う。


人間関係は人を殺す。

これは比喩でもなんでもなく、実際この現代社会で人間関係が原因で死んでいく人なんて山ほどいるだろう、


他人との関わり。それは適切な距離感を守れば、人生を彩る最高のスパイスだが。

用法を少しでも間違えば、人生そのものをひっくり返してぐちゃぐちゃにする劇薬だ。


最初は隣りにいるだけ。

段々とそれでは愛を感じられなく成り、接触を求めだす。

言葉を多く交わし、共通の時間を過ごすことで繋がりを実感する。

相手が自分以外と仲良くしていれば、嫉妬をし怒る。

関係はどんどんエスカレートし、最後には相手を自分だけのものとせんとしてしまう。


はじめは軽いのに、それで満足できなくなってより劇的なものを求める。

麻薬と同じで、人間関係は劇薬なのだ。


常日頃から、誰かに生かされ、誰かに殺されている。

支え合って、そして殴り合っている。






我々は、比翼の鳥を笑うことができるのだろうか。


一人では半分すら出来ない、虚翼の鳥のくせして

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