#12 復活するのが早い八木
翌日土曜日、急に彼女から呼び出しを食らう。
この日のバイトは夕方からだったので、昼間に会いに行った。
すると、ウチの高校の木曜日の事件の噂を同中ネットワークで聞いたらしく「彼女を体張って守ったってどういうこと?」と問い詰められ、更に最近八木カンナと一緒にご飯食べてる情報なんかも一緒に伝わっていた為、全部正直に話したが全く信じて貰えず、その場でフラれた。
めちゃくちゃ凹んだまま、それでもバイトがあったのでバイト先に行くと、追い打ちをかける様にお岩さんみたいな顔をバイトの先輩たちが見て大爆笑され、俺のHPはもはやゼロだった。
日曜日は、自室に引きこもって、別れた彼女との思い出に浸りながら、一人寂しく泣いて過ごした。
月曜日、ホントはまだ休みたかったけど、かーちゃんがうるさくて、渋々登校した。
朝、駅で降りて改札を出ると、八木カンナが待ち伏せしていた。
「栗山くん!おはよう! 一緒に行こ?」
『あー、うん・・・・』
コイツ・・・金曜日は反省してたのに、もう復活してやがる。
なんで俺ばっか痛い思いせにゃならんのだ・・・
学校への道は、テンション高めの八木カンナの話しにテキトーに相槌打ちながら歩いた。
教室に入ると桑原が居たので『桑原、ちょっと来い』と廊下に呼び出して、土曜日の話をした。
『お前が教えてくれた噂の話し、彼女に全部筒抜けで、問答無用でフラれた』
「え!? マジで・・・?」
『うん、マジで』
「あちゃー・・・」
『俺、何も悪くないよな? なんか俺だけ損してない? おかしくない? 理不尽すぎるよな!』
「栗山・・・・どんまい!」
桑原のテキトーな慰めの言葉すら、今は心に染みる・・・
お昼休憩になると、八木カンナが弁当持ってやってきた。
八木カンナは、当たり前の様に俺の机の横にイスを持って来て座った。
桑原は、本来いつも食べてるグループの方で食べ始めていた。
なんか、もうヤダ
八木カンナに絡まれ始めてから、ロクなこと無いんだけど
なのに八木カンナ本人はどんどん元気になってる気がするんだけど
「栗山くん、早くお弁当食べよ?」
『あぁ、うん・・・・』
「元気ないね? ケガしたトコ痛いの? あ、お口の中切ってて食べづらいとか? わたしが食べさせてあげようか?」
『いや、大丈夫・・・』
いつもの様に二人で手を合わせて「頂きます」って言って、食事を始めた。
なんだろ・・・八木カンナが居ると
この日の八木カンナと交換したから揚げは、いつもよりしょっぱかった。
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