第8話恐慌政治主義者

『血の聖女による恐慌政治』




血の聖女は世界最恐の戦闘兵器である



その聖女の力を脅しに無理矢理円満解決をさせ多々の国々に条約を結ばせることを人々はそう呼んだ。


血の聖女が生まれた国は100年は安泰だといわれている。




:ガーディール王




「…血の聖女は何処に在るべき存在か?」




こう問いかけた自分はやはりルファーナという1人の公女に期待をしている。

彼女なら答えを導いてる気がした。




それにまさか自分の代に血の聖女が生まれるとは…



だが血の聖女がルファーナで良かったのかもしれんな。契約までしてるとは流石に思わなかったが



目の前で深々と自分に向かって頭を下げているルファーナを見つめながらそう考えた。


沈黙を彼女は破った。



「…血の聖女は王座に在るべき存在です。」




…やはり聡明な子だ。



「そうだ。血の聖女は本来は王座に在るべき存在だ。」



目の前でルファーナはただ真っ直ぐわしのことを見つめているだけだった。



…歓喜も杞憂も見えない



「ただ契約主となった血の聖女に限ってしまうがな…。」



何も知らない15歳を過ぎた血の聖女は

力を失ってしまう。

だから成人にもならない彼女達を

王座につかせることは出来なかった。


カルトスカーレット王国では

成人年齢は齢16である。



「来週。血の聖女の契約主のそなたに王座継承の儀式を行おう。」



ルファーナは何も動じず静かに


「…嬉しきお言葉、ありがとうございます。」


とお礼をしただけだった。


「因みになのだが…」



ルファーナのことを見て続けた。



「…血の聖女のことはベリルローズ家は知ってるのかね。」



ルファーナは静かに


「いいえ、両親は何も知らないです。」


と言った。



「…そうであったか。次期皇后レジーナのして皇宮で3年も過ごしていたのだから仕方ないだろう。」


レジーナの王宮生活に入るのは成人になる1年前からだがルファーナに関しては例外だった。


「1週間の間に神殿へ血の聖女の申請をしに行く次いでに両親へ挨拶でもしてきなさい。

…あくまでついでだ。」



…今のルファーナなら大丈夫であろう。


「はい。承知致しました。」


「今日は下がっていいぞ。昨日は大変だったろうからゆっくり休みなさい。」



「ありがとうございます。お言葉に甘え失礼致します。」



ルファーナは扉に向かい


「本日はお忙しい中ありがとうございました。ごきげんよう。国王陛下。」



そう優雅に挨拶をして出ていった。



…王位継承までにルファーナに何も起こらないといいが



ルファーナのことを考えまた深々と玉座へ腰を掛けた。

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