第3話血の聖女の契約




『血の聖女』


古代からカルトスカーレット王国は

数百年に1度、血の聖女と呼ばれる

乙女が産まれる。その乙女は己の信念を貫き、人の嘘を見抜き、


そして…血を操る。


軍事国家において最強であり最恐の

存在。故に国において最重要人物に値する。


しかしその力を使えるのは15歳まで。


16歳をすぎるとただの乙女になり

多くの血の聖女だったものは

己の犯した罪に囚われ自害すると伝えられている。





:カーティス殿下



「私が血の聖女ですの。」


不気味に微笑みながらルファーナは言った。


ルファーナが俺のとこを好きじゃない?なわけ…そんなことより

ルファーナが血の聖女?


馬鹿な…神殿に届けはないはず

だがそれはミーエナも同じ…


隣に居るミーエナを見る。


震えて今にも逃げ出しそうだ。

不味い。今ミーエナが何かしでかしたら

全てが水の泡だ…



だがこれでもし本当にルファーナが

血の聖女だったら…


俺は王室追放どころか

流刑、最悪の場合…死…



…いや、待てよ?神殿の方にどうにか細工をすれば…


カーティスはニヤリと笑った。


「貴様が仮に血の聖女だとしてどこに証拠がある?そもそも貴様は今宵16になったではないか。なぁ、ミーエナ?」


ミーエナは顔を輝かせた。

「そうですよぉ!ルファーナ様は16歳になられたじゃないですかぁ!なんでそんな嘘をつくんですかぁ…」


全くミーエナは相変わらず可愛らしいな

ルファーナとは大違いだ。


あの悪女の奴も

これで生意気な真似は出来ないだろう。


こんな奴との口論を早く終わらせて

ミーエナのウエディングドレスを

買いに行こう。お色直し用のドレスと宝石のあるアクセサリーもだ。



次期皇后の生活費で足りない分は国民の税金を上げよう。


次期皇后の結婚祝いだと思えば

国民は喜んで出すだろう。


ミーエナの花嫁姿はさぞかし美しいだろう。


想像していると高らかな笑い声が聴こえた。


「自称血の聖女様はご存知ないのでしょうか?それはそれですよね。じしょうなんですもの。」


悪女は諦めるどころか俺とミーエナと嘲笑した。


「何を知らないって言うんだ!それに自称血の聖女は貴様のことだろ!16歳の貴様には血の聖女の資格さえない!」


はぁはぁ…本当に腹の立つ奴だ。

殺してしまおうか…


「焦らないで下さい。殿下♡血の聖女の契約を知らないのなら15歳までだと思うでしょう。」


「何を言ってるんだ…?」


「まだ分からないのですか?だから有るのです。16歳を過ぎても血の聖女で居れる方法が…。」


そう言った悪女ルファーナは

微笑みながらルファーナが普段から付けていた真っ赤な薔薇の髪飾りを俺の方へ放った。


その瞬間目の前が緋色に染まった。

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