第15話

「ダメよ...!帰らないで...!」


「私のこと、介抱してくれなきゃ...!」


「え」


「ちょっとお腹空いたのよ...。

何か作ってくれるとか、その、お風呂を沸かしてくれるとかしてよ...」


「ええええ」


「ほら、部屋、入ってよ...!」


酔っ払って、力が抜けてるはずなのに。


帰ろうとしてる俺のスーツの裾をぎゅっと

掴んで。


はなそうとしない。


もしかして、大分、酔いさめてきた?


てかさ。


だったらもう、俺、帰ってもいいよね?

用済みだよね?

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