分かっていた終わり

井上サーモン

第1話 プロローグ

紅葉が落ちきったとても寒い朝私は今日も

妹のいる病院の病室へ行く。

朝の八時から夕方の十七時までは郵便局で

仕事をしその後にいつも妹のいる病室へ行く。今日は有給をとり朝から晩まで妹と沢山

楽しい話をする。

それにしても今日は天が乱れているまるで今にも嵐が来るかのよう。みぞれが降り辺りは少し変に明るい。

妹の病室の扉を開き私は優しい声で「おはよう」と言い中に入った。医者が言うには妹はもうあまり長くはないと言う。妹はそれを知りながらも恐れずこの一秒一秒を大事にして生きている。

あぁ葉子私は辛いよお前がこんな悲しい思いをするなんて、できることなら私はお前と変わってやりたい。でも今私ができるのは毎日新聞を一緒に読んでお前が好きな薄味の白あんのまんじゅう一緒に食べてやることだけのようだ。

あぁ葉子私はとても悲しい昔はあれだけ遊んで喧嘩して仲直りをした日々を語り合うことが出来なくなるなんて。

そして蒼鉛いろの暗い雲からみぞれがどろりどろりと降ってきた頃私は妹の病室から出て家に帰った。

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