発注内容は、事前に出来るだけ情報を仕入れずにRPGを始めたプレイヤーに操作されたゲーム内キャラクターに意志があったらどう行動しているように描写されるのか。それを体験したい

 ふと気がつくとそこは私にとって何もない場所だった。

 何処までも境界がない真っ白い空間が認識されるばかりの場所。

 私は死んだのか?


「いいえ、違います。

 貴方はこれから発生するのです。

 この世界に影響を与える為に。」


 貴方は?


「私はる理由によりこの恒星系を創造し管理する者。

 そして貴方はその理由を完遂する為に、魂の輪廻から掬いだした存在。

 しかし、私はその理由を完遂するに十全な力を与えきることが出来ませんでした。

 ですので、貴方にはこれから向かう地で自身の手によりそれを為すだけの力を獲得して下さい」


 そんなことをいきなり言われましても…


「貴方にこの役目を背負わす事になったのは、私にはもう時間が残されていないからです。

 この世界を蝕もうとする存在から、この世界を守る為に、私の力は瞬く間に失われてしまいました。

 今の私が最後に残せた希望、それが貴方です。

 どうかお願いします。この世界を…」


 だんだんと力が弱くなりか細くなってくるその存在の意識の響きは、その存在の主張を彼に届かせ切る前に途絶えてしまった。


 彼はついさっきまで存在していたこの世界の管理者から与えられた膨大な可能性を受け取った。

 その存在によって彼の精神へと適合された管理システムと共に。


 …、やるしかないのか。

 それ以外の行動は認められることはないのか。

 押しつけるだけ押しつけて、自分の勝手な都合で…。

 一体なんなんだこれは。


 彼の意識上には種族選択をする為に最適されたUIユーザーインターフェイスが表示され、様々な種族が能力値や特徴などが表示されていた。


 憮然と呆然と無為に時間が経過していく。

 だが、彼はふと感づいた。この真っ白な空間が縮まっていくのを。

 感覚的に理解した、そして、その結果齎される結果も理解出来てしまった。


 このままでは、この空間毎消滅してしまう?

 くそっ、やるしかないのか。


 時間制限の中、しかも明確にどれだけの時間が残されているのか解らない状態で作業が開始される。


 自身の種族を考え、それに見合ったスキルを獲得した。

 そして、当たり前のように見た目をカスタマイズして行く。

 何故自分が恙なくその作業を終えられるのかに疑問を持つことなく。


 種族…まずは特徴からざっと確認だ。


 彼が今確認している内容を、彼が重要度の高い情報だと思うものを抜き出すと以下のようになる。


 ヒト

 ルーデンス・テーレレェに於いて最も平均的な身体を持った種族。

 特徴として人型生命種の中では最も継続的な繁殖能力に優れている。


 エルフ種

 ルーデンス・テーレレェに於いて人種と比較して魔法に適性がある種族。

 寿命はかなり長いがその反面繁殖能力に難あり。


 ドワーフ種

 ルーデンス・テーレレェに於いて人種の第二次成長期が来ないまま殆どの個体が成人を迎える種族。見た目とは裏腹に強靱な身体能力を獲得している。

 寿命はエルフと同程度だが繁殖能力に難あり。


 獣人種

 ルーデンス・テーレレェに於いて最も派生種亜種が存在する種族。

 人種メインで獣要素があるタイプ。獣様さメインで人の形をしているタイプ。完全に獣の姿をして知性が人型生命種と同等のタイプなどが存在する。

 また身体能力については、どの獣の要素を持っているかで変わってくる。


 モンスター種

 知的生命種の進化を促す為に用意された存在。

 しかし、現在その多くは管理者の管理を外れ、唯脅威を撒き散らす存在となっている。

 様々なタイプのモンスターが存在する。


 目の前のUIに表示されている大カテゴリはこの五つ。

 私があの存在から渡されたリソース…、この何とも言えない理解させられている感じが何とも不可思議だが、それは一先ず後で考えるとして。

 このリソースを振り分ければ派生種や亜種、さらには上位種へとなることが出来る。

 だけど、それは後で進化なりでなることが出来る様だから、それよりも他に可能性を広げていった方が良いだろう。

 恐らくだが、人型の種族に対して都合の良い結果を齎すことを期待されているはず、それは何となくだが解る。

 だからモンスター種というのは、モンスター側から影響を与えることを期待され用意されたものだろう。

 人種、寿命はエルフ種とドワーフ種に比べれば寿命が短いか、私が事を成せなかったとしても、後世に役割を残せるかも知れない。

 逆にエルフ種やドワーフ種は、私一代で終わらせられるかも知れないが、何か問題が起きた時に、そこで積みになる可能性があるか…。

 モンスター種は、他に選択肢がなかったら選ぶのだろうが、人種があるならば人種で行きたいと思っている自分がいる。

 …、人種。

 出来る限り自身の役目を果たす為に、確率を上げる為にはより多くの子孫を残して可能性を広げていこう。

 だが、出来るならば私の代で終わらせてしまいたい。

 だけれども、それが適わなかったときの事を考えるとこれがベターな選択だろう。


 彼は、どういった脅威があるのかさえ解らない現状、後世へと託せる環境を状況を生み出せるよう種族を選択した。


 その結果彼は、人種の基本種族、ヒューマンを選択した。

 このヒューマンという種は、特定のじん種に属さない最も平均的な種族。

 スキルビルド次第では、様々な可能性を秘めた種族である。

 この大きさの知的生命種としては、肉体強度はそれほどでも無いが、その代わり生殖能力が高い。

 また、エルフ種・ドワーフ種との間にも子を成せること出来る。

 その結果、ルーデンス・テーレレェでは、最も人口が多く混血児も相応に存在している種族である。

 レベルは二十、平均的な成人が到達することが出来るレベル。

 彼は次にスキルの選定に取りかかる。


 メニューウィンドウ

 エクストラスキル。

 何らかの存在より与えられなければ獲得することが出来ない特殊なスキル。

 自身の様々な能力を確認したり、成長させたりすることが出来る。


 ルーデンス・テーレレェ言語理解

 現地で円滑にコミュニケーションを取る為のスキル。

 言語理解系の中では最も多くのリソースを割くことになるが、惑星ルーデンス・テーレレェ上に存在する如何なる言語も理解し操れる様になる、必携と言っても良いスキルである。

 レベルは五、余程難解な専門用語でない限りは、難なく理解出来るレベル。


 身体操作

 身体を十全に扱い切る為のスキル。

 身体依存のあらゆる動作・知覚に関連し、魔法使用時にも作用する万能スキル。

 レベルは三、身体を使った様々な表現や行動を十全に行える。

 体内感覚を知覚出来るようになる。


 身体強化

 身体全体の能力を向上させる。

 筋肉・皮膚・臓器・魔臓・脳等あらゆるものに作用する。

 レベルは三、元々の肉体能力にプラス三十%の強化を上乗せする。


 食物理解

 自身の種族が摂取することが出来る対象を理解出来る。

 サヴァイバル必携のスキル。

 レベルは三、生きていく上で必要な食べ物を判別出来る。対象の摂取物の形状は問わないが、目視出来る事が条件。

 自身にとってネガティブな効果を及ぼす恐れのある物を判別出来る。


 こんな感じか。


 彼は一通りの設定を終える。

 そしてこの空間がそろそろ崩壊するだろうと感覚的に理解する。

 まるで、彼がこのタイミングで終わるのを見計らうようなタイミングで、彼を保護していた空間は消滅し、彼は現地へと誘われていった。


 

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