異世界幻想の初まり
神の御都合
ストゥラトゥム・カルパー・テルミヌスには様々な神が存在している。
世界に理を齎す神。
技術を生み出す神。
戦争の神。
豊穣の神。
破壊の神。
創造の神。
だが考えたことはあるだろうか?
何故これらの神はその能力を持っているのか?
なぜこれらの神はその能力を振っているのか?
これらの能力を持つに至ったが故に神になったのか?
これらの能力を振う為の神という存在なのか?
神自身はそれを理解することは困難だ。
だが、神が属する世界が隣接する、若しくは属する世界を生み出した存在はそれを知っているかも知れない。
神の都合を追い求めていけば、何処に辿り着くのだろうか?
それはふと気付くとそこにいた。
周囲に存在するのは摩素や魔素。
それだけだ。何もない空間と言って良いだろう場所。
なにもないと言っても摩素や魔素があるだろうと言う人もいるだろう。だが考え見て欲しい。
都会に住む人が自然豊かな田舎に行ったとき、「何もない場所だ」と感想を持つことは理解出来るだろう。理解出来るという仮定で話を進める。
そうした場合、周囲に何かあったとして、それを観測する立場の存在がそれをどう受け取るのかに因ると言うことだ。
その存在は何もないと感じた。そういった感想を持った。それがその存在の感性で感情であったのだ。
貴方方はこの場所を見てどう思った?
貴方方にとってはそれが…それこそがこの場所を指し示す言葉。ただそれだけのこと。
話を戻そう。
彼は神である。
ここまで付き合ってくれている方々は思うだろう。
この神はなんだろうと?
もし、今ここで綴っているなんだろうと、これを読んでいる皆さんのなんだろう?が一致している事を願う。それと同時に一致しているという前提で話を進めることを了承して欲しい。
そう定義されているこの彼が何もないと表現し、それを受けて文字でも表現した何もない場所に居る。
そう定義したのはこの場を用意して、彼を配置した存在で、この世界からしてみれば神という存在だ。
だが、この場と創造神たる彼を用意した存在はただのゲーム制作者だ。
プログラミングされ映像として、モニターに出力されている物を、実際に感じ、干渉出来るようにされた存在だ。
つまり、高度に発達した科学技術を持つ文化で娯楽を提供するだけの為に用意されたのがこの場と彼であった。
ゲーム制作の現場は時代と共に変化した。
今やその自由度は広がり、世界その物を生み出すに至っていた。
そしてプレイヤーはその生み出された世界で遊ぶのだ。
その世界独自のゲームシステムで、その世界で息づく様々な人々との交流で、争いで。
創造神は入力された法則を元にして、独自に世界を構築する。
いずれ来るこの世界を遊ぶ誰かの為に、そも当たり前のように世界を創造する。
創造神はゲームクリエイターの思惑に、ゲームクリエイターはこのゲームのプレイヤーを想定して行動した。
その結果、とある世界が生み出された。
システムとして、遊ぶに解りやすく且つそれらしい世界の理。
リアルを意識しつつもそこに存在するのはリアリティ、それもゲームとして遊ぶ為の、作りものの物語を愉しむ為に用意された舞台設定としての物理法則を含む様々な理。
創造神も、この世界で生まれたあらゆる存在も、疑問を持たずにそれが適用されて、それに適応して活動する。
プレイヤーの自由はクリエイターの自由を束縛し、クリエイターの自由は創造神の自由を束縛し、創造神の自由は世界を束縛する。
そしてプレイヤーはそんな世界を遊ぶ。
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