第12話「接触… BERS再び…」
「お
ジェット旅客機事件から数日後の土曜日の午後である。
時々、くみは学校の同級生と一緒にこの店に来ており、一度だけだが母のアテナとも来たことがあった。今日は祖父の
二人は喫茶店内で
「ふむ、あれは古来から日本に住んでおる
「ふうん…そっか。じゃあ、あの
「くみは優しいのう。そんなくみの優しい所がわしは大好きじゃ。しかし、くみよ… あの時はニケが
「ありがとう、お
くみは並んで歩く
「おじいちゃん… 何かおかしな気配がする…」
「くみも気付いたか、この怪しい気配に… おいっ! 誰だか知らんが、隠れてないで出て
「へっへっへ、二人ともこの俺様に気が付きやがったのか…? なんて
木がしゃべり出した…と、一瞬思われた。木に人間(?)が化けていたのか…? いや、木の皮を
「ほう… 面白い術を使いおるのう。そこまで完璧に木に化けおったら、常人では絶対に気が付かんかったじゃろうな… たいしたもんじゃな、お前さんは。じゃが、相手がわしと孫で運が悪かったのう。」
「だまれ、ジジイ! てめえには用はねえんだ、すっこんでな! 俺が用のあるのは、そっちの青い目をした
木に
「お前さんは頭だけじゃなくて、口も悪い
そう言った
「
二つの折り紙に向けて
すると、どうだろう… 二つの折り紙はまるで意思があるかのように起き上がり、ムクムクと大きくなりながら形を変え、
「何だあ…? 変な術を使いやがって。このインチキジジイがあ!」
悪態をつきながら、コンバットナイフを手に持って襲いかかってきた
「ぐわあ! やめてくれえ! 痛い、痛いよう! ひいいっ! 助けてくれ、この化け物にやめさせてくれえ!」
男は身体の半分以上を木に
「口ほどにも無い奴じゃ… さあ、何のためにわしらを襲おうとしたのか白状してもらおうかのう…
「分かった… 言う、言うよ! 言うから助けてくれえ… お、俺達は… ぐっ!」
くぐもった声を発した
「気配から他にもまだおるのは分かっておったが、仲間を殺すとは…」
すると、「ビュッ!」と空気を切り裂く音と共に何かが賢生に向かって飛んで来た…と思う間もなく、その
「ふう… 危ないとこじゃったわい。くみや、ありがとうよ。さて、死人まで出おったからには長居は無用じゃて… くみ、ここは三十六計逃げるに
言うが早いか、
と、二人が
「ちっ、逃がしたか…」
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公園の出入り口付近の人通りの多い広場まで走って来た
「はあ…はあ… こんな年寄りを走らせよって… ああ、しんどい…」
息を切らして
「お
くみが
「わしにもさっぱり分からんわい… しかし、
くみは首を左右に振ってから、
「お
くみは正体不明の連中の
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同じ頃、林の中では
「こちら、ニケ襲撃班の
はあ、こちらは戦闘において隊員の一名を失いました… そうです、あの
申し訳ありません… ですが… 次は必ず… はい… 二度とこのようなミスは… ただ、北条課長、一つだけ朗報が… はい、ニケ達との戦闘の一部始終を別の隊員が撮影しておりました… それに、死んだ部下が頭に取り付けていたヘッドセットで戦闘の記録を残しております… はい… 回収しましたので…持ち帰り次第、課長に提出致します…
はい…今からすぐに
通話を終えた蛇の様な表情をしたリーダー格の男は、
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ここは内閣府庁舎6階にある、内閣情報調査室の隣室に特別に設けられた
窓から見上げる空には雲一つ無かったが、夕焼けが空の色を染め始めていた。そのオレンジ色がかった空を見つめながら
「ますます、お前に興味が
北条はニヤリと口元に笑みを浮かべながら、右手に持つプリントアウトされた『ニケ』の写真を見つめて強い決意を込めて言った。
「待っていろよ、翼の少女ニケ…
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『次回予告』
BERSに襲われたくみと
ニケの正体が発覚してしまったのだ。
これからの対策を話し合う
次回ニケ 第13話「ニケの正体発覚… そして榊原家家族会議」
にご期待下さい。
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