第17話「ドーントレスの街と我が家」

ここは遠い世界。長いこと汽車に揺られた一行だったが遂に目的の街に着いた。そこには電球が灯る風景があった。


十七話「ドーントレスの街と我が家」


「凄いなぁ・・・。こんなに近代的な街並みが広がっているとは。」

竜輝は驚いた。なんとなく残っている過去の知識と一致するようなしないような。近代化の進んだ西洋の街並みが広がっていた。ろうそくの灯りではなく電球の灯りが灯っていた。

「この街の名前は(ドーントレス)、不屈って意味だよ。」

「過去、幾度となく戦禍に呑まれたのだけれど誰もこの街を見捨てなかったの。素晴らしい精神力ね。」

リリアとリルムの二人は過去の思い出に少し馳せていた。涙が浮かんできたその頃にはまた歩みだす。

「もうすっかり夜になったね。家まではもう一度汽車に乗らないと行けないんだよ。」

星彦丸はそう言った。

「どんな家か楽しみだな。そういえばここら辺は人間ばかりだな。所謂夢魔とかそういう奴らも普通にいるのかと思ったんだが・・・。」

星彦丸は答える。

「人間が殆どを戦争で滅ぼしたんだよ・・・。一番力の弱い人間が一番残虐だった。それはもうずっと過去の話だから僕は見たことないけどこの世界の歴史は戦争の歴だった。常に戦い生と死が平等に与えられどちらかが滅ぶ。なんて残酷なんだろうか。魔族もその他の滅んだ種族も本当は優しいかったのに・・・。」

「そうか・・・だから二人はそうなのか・・・。」

竜輝は後ろにいるリリアとリルムに言った。

「用がないならさっさと帰ろうぜ?俺たちの家って奴によ。」

それに二人は

「・・・そうだね。着くころには夜中なっちゃうね。」

「帰ったらすぐに寝ましょう。お姉ちゃん大分疲れたわ。」

一行は駅に行き今日最後の列車に乗った。そこから更に一時間程して無人駅に降りる。もうすぐそこだ。

暗闇をランタンで照らしながら10分程平地を歩くと見えてきた。辺りは風化した廃屋だらけで相当時間が経っているようだ。木材部分は完全に朽ち果て石材は苔むしている。少し、異様な光景だった。リリアとリルムは真っ先に一番奥にある大きな屋敷に向かった。

そこが家、拠点って奴なのだろう。

竜輝は星彦丸に聞いた。

「なぁ、まさかじゃないがお化け屋敷じゃないだろうな?」

「そんな事はないよ。あの屋敷は何度も立て直しているらしいから大丈夫・・・多分。」

「はぁ。」

一行は屋敷に入る。内部は至って普通で綺麗に整っていた。

「それじゃあ私、お風呂を沸かしてくるね!」

リルムは荷物を置くともう一度外に向かった。

「星彦丸ちゃん、竜輝くんにこの屋敷を案内してあげて?私は夜ごはんの準備をするから・・・。」

一通りの案内を受け、皆で食事を取る。

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